恋愛や仕事、家庭事情など、人から相談を受けることはありませんか?
相談者が親しい人であればあるほど、できるだけ役に立つアドバイスをしてあげたいと思うものですが、正論を言えばいいというものでもないし、かといって本人の役に立たない助言など持ってのほか、その人にマッチしたアドバイスをするのって本当に難しいですよね。
朝日新聞の土曜別刷り『be』の人気連載に「悩みのるつぼ」という悩み相談のコーナーがあります。このコーナーで、解答者の一人として活躍しているのが社会評論家の岡田斗司夫さん。
『オタクの息子に悩んでます 朝日新聞「悩みのるつぼ」より』(岡田斗司夫 FREEex/著、幻冬舎/刊)は、このコーナーで岡田さんのもとに寄せられた悩みに対して、自分なりの解答を見つけ出すまでのプロセスを書くことで、悩み相談へのアドバイス、ひいては問題・課題に対する取り組み方を教えてくれる一冊です。
家族や友達からの悩み相談に、私たちはどう対処すればいいのでしょうか。
■相手の"本音"を見極めて相談に乗る
人の相談に乗るうえで忘れてはいけないのは、ほとんどの相談者は"言葉のプロ"ではないということです。
「悩みのるつぼ」にしても、悩みごとを投稿してくる人の多くは文章を書くことに慣れていない人。そういった人の相談は「文章の結びにある質問=相談者が本当に聞きたいこと」とは限りません。文章の途中や後半のどこかでポロッと本音が出ることがあると岡田さんはいいます。
これは、口頭での相談も同じで、相談者のセリフの中のクエスチョンマークに対して答えるだけではなく、その中に見え隠れしている「本音」を見極めてあげる必要があります。
■「相手と同じ温度」で相談に乗る
「相手に共感」することも、悩み相談に乗る時のポイントです。岡田さんいわく「共感」のコツは、「相手と同じ温度の風呂に入ること」。
私たちはついつい、相手が「こういうことで困っている」というと「こうすればいいじゃん」と、今の自分の立場から見て一番論理的で行動可能な指針を手早く答えてしまいがちです。しかし、それは困っている人に対して安全地帯から忠告しているに過ぎません。
そうではなく、「相手と同じ温度の風呂に入り」、つまり相手の身になって考えることで、その感情や感覚まで共有してあげようと試みること。その態度こそが重要なのです。
■悩みとは、複数の問題がこんがらがった状態
そもそも"悩み"とは何なのでしょうか。
岡田さんは、「複数の問題がこんがらがった状態」が"悩み"であり、個々の問題は単純だといいます。この、絡まり合った問題を解きほぐしてあげるのも相談相手の仕事なのです。
相談者の話をよく聞き、悩みの構成要因を分解して、「今できること」「今やるべきこと」を見つけ出してあげられれば、相談者はきっと楽になるはずです。
本書には、岡田さんならではの悩み相談への対処法がまだまだ取り上げられています。
人は悩み多き生き物。誰でも一度や二度は人の相談を受けることはあると思いますので、今のうちから準備しておきましょう。
(新刊JP編集部)
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