「後悔しない人生を送りたい」。誰もがそう願っているのではないだろうか。しかし、どんな風に生きていても、心のどこかに引っかかるものがあったり、何かしらの後悔が生まれるはずだ。
「10代の頃、あれをやっとけばよかった」「まわりの目が気になり、やりたいことができなかった」…。そうした思いの根底にあるのは、「なぜ、自分はやらなかったのか」という“やり残し”だ。海外医療や震災ボランティアに積極的に取り組み、テレビ「情熱大陸」(MBS毎日放送)にも3回出演した医師の吉岡秀人さんは「やり残しを減らす」ことが後悔の少ない人生を送るための秘訣だと述べている。
そんな吉岡さんが執筆した『1度きりの人生だから絶対に後悔したくない! だけど、まわりの目が怖くて、なかなか動けない。そんな20代の君が1歩を踏み出す50のコトバ』(すばる舎リンケージ/刊)は、吉岡さん自身の経験を交えて、読者が一歩を踏み出したくなるような、熱い言葉が詰まった一冊だ。では、吉岡さんはどのように自らを奮い立たせ、“やり残し”を減らしてきたのだろうか。
■「他人は自分の人生の責任を取ってはくれない。人生の責任を取るのは自分しかいない」
何かに挑戦しようというとき、まわりの人がいろいろなことを言うだろう。だけど、まわりの人は責任を取ってはくれない。責任を取るのは自分だけだ。吉岡さん自身、医学部を受験するときも海外医療を始めるときも、周囲から「無理だ」「やめといたほうがいい」などいろいろなことを言われたという。しかし、他人はいくらいいアドバイスをくれても、そのアドバイスに責任を持ってはくれない。他人の意見に右往左往されるくらいの挑戦ならやめればいいだけ、と吉岡さんは言う。自分の心の奥にある「やりたい」という気持ちと、結果を受け止める覚悟があれば、やりたいことをやるべきだろう。
■「人生のベクトルを意識する。そうすれば、どんなときも迷わない」
吉岡さんが30歳で海外医療を始めたとき、多くのものを捨てたという。日本での収入や地位をはじめ、3年付き合っていた彼女とも別れた。彼女は一緒に行きたがっていたが、吉岡さん自身、海外医療が未経験だったこと、自分一人だけでもうまくやっていけるかどうか分からなかったことなどからだ。
進学や就職、転職などで新たなスタートを切るとき、家族や恋人、友人などと別れることになる。それまで手に入れたものを捨てなくてはならない。それが怖くて、なかなか動けないことも多いだろう。
だけど、吉岡さんは、いろんなものを捨てることに迷いはなかったという。なぜなら、「医療の届かないところに医療を届ける」という一番やりたいことが決まっていたから。自分の理想とする姿があれば、それに突き進むしかないのだ。
■「普段からやってない人間は、チャンスが来ても動けない」
例えば普段から全く野球の練習をしてない人が、バッターボックスに入っていきなり150キロの剛速球を打てるだろうか。まぐれ当たりならあるかもしれないが、おそらくほとんどの人は無理だろう。
医療の世界もそう。「重症の患者だけ本気でやろう」と思っている人は必ず失敗すると吉岡さんはいう。普段、軽症の患者を一生懸命診ている人だけが、重症の患者が来てもいい動きができる。
これは何にでも当てはまることだろう。仕事や勉強、恋愛など、チャンスが来たときだけ頑張るのではなく、チャンスが来るために毎日一生懸命こなしていく。まずはそこがスタートなのだ。
本書は20代に向けたメッセージが詰まった一冊だ。
この3つの言葉以外にも、今すぐ動きたくなる熱い言葉であふれている。
「失敗したらどうしよう」「まわりの目が怖い」「どうしたらいいのか分からない」…、20代のうちはそう思ってしまうのも当然だ。なぜなら、多くのことが未体験だから。しかし、そうした未体験の世界に自分からどんどん進んでいき、新たな世界を切り拓いていくことで、大きな成長を得られるはず。
そのためにも、まずは吉岡さんの言うように“責任を持たない他人のアドバイス”ではなく、自分の心のなかにある“本当の想い”に耳を傾けてみてはどうだろう。そこに一歩を踏み出すきっかけがあるはずだ。
(新刊JP編集部)
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