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「こうして歴史問題は捏造(ねつぞう)される」有馬哲夫著

  • 書名 こうして歴史問題は捏造(ねつぞう)される
  • 監修・編集・著者名有馬哲夫
  • 出版社名新潮新書
  • 出版年月日2017年9月14日
  • 定価800円+税
  • 判型・ページ数256ページ
  • ISBN9784106107344

いわゆる「従軍慰安婦」や「南京大虐殺」といった問題は、隣国からの「歴史問題ハラスメント」の材料となっている、と著者は断じる。ではなぜそういう問題が終結しないのか。各国の事情に加えて、捏造に加担する日本の学者やジャーナリストの手口についても論理的に分析していく。

朝日新聞などおなじみの事例の他、目をひくのがNHKによる捏造のメカニズムの構造だ。毎年、終戦記念日などに合わせて「新発見」を報じようとするがために、無理をしてしまっているという解説には説得力がある。

慰安婦問題に関連しては、ドイツやソ連などが戦時中に女性に対して行った非道な犯罪行為を客観的に伝えたうえで、日本の研究者が「加害者としての日本」のみに注目し、「被害者としての日本」を置き去りにしていると指摘。ですます調の読みやすい文章ながらも、歴史への造詣を深める奥深い1冊だ。

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