「薩長史観」とは、明治維新を成し遂げた薩摩・長州(薩長)にとって都合のいい歴史解釈ということ。要は「勝者が歴史をつくる」ということであり、「薩長側―官軍・開明派」「旧幕府側―賊軍・守旧派」な図式で色分けされた歴史観となる。当然、その中には捏造(ねつぞう)された「偽史」も多く含まれる。
自らを正当化しようとする明治政府は、この誤った薩長史観に基づいて国民の「通史」を形作ってきた。その弊害は現在にまで及ぶと著者は指摘する。本書は、この薩長史観の具体例40を示し、何が「偽り」なのか明らかにする。そして、「吉田松陰はテロの扇動家」「西郷隆盛は無定見な武闘派の策謀家」「幕府は薩長よりも開明的で近代化を進めていた」など、従来の歴史イメージを覆す「真相」が解説されている。来年の〝明治維新150年″を前に「もう1つの幕末維新史」を知るのに最適な本といえそうである。
産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代~60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」(http://www.zakzak.co.jp/)で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。
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