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「観光立国の正体」藻谷浩介、山田桂一郎著

  『デフレの正体』や『里山資本主義』で知られる地域振興の専門家と、スイス在住の「観光カリスマ」による観光論。
 東京オリンピックの開催を見据えて「観光立国」論は花盛りだが、2人とも現場で奮闘を続けている論者だけに、辛口の指摘がたっぷりだ。東海道新幹線にスーツケース置き場がなく、近鉄が最近までカード支払いを拒否していたのは「おもてなし」とは言えない、などと具体的な言及も多く、目を開かされる。
 なかでも著者2人が一番問題にしているのが、いまだに「団体・格安・1泊2日」の旧来型モデルに安住している地域の「ボスゾンビ」たちの存在だ。観光立国論議が高まる中で、皮肉にも有名観光地のあちこちでゾンビたちが復活しつつあるそうだ。
 その一方で、観光地が本当に再生するための処方箋も、懇切丁寧に述べられている。マーケティング的な観点からの気付きも多い。 

書名:観光立国の正体著者:藻谷浩介、山田桂一郎発行:新潮新書定価:820円+税

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