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「落陽」朝井まかて著

  東京・原宿駅のそばに広がる明治神宮の森。都会のオアシスにして年間数百万人の参拝者が訪れるこの祈りの森が、実は人口林であることを知らない人も多いのではないだろうか。
 直木賞受賞以来、精力的に意欲作を出版し続ける著者が最新作で挑んだテーマこそ、この森造り。千年万年続く森をと願い、献木10万本、勤労奉仕のべ11万人、150年後の完成をめざした壮大な事業だ。天皇が崩御、明治という時代が終わったとき、人々は何を思い、この計画を企図したのか。1人の新聞記者の目を通して描かれるのは、まさに「明治を生き抜いた人々の熱き志」である。
 元来、神宮林にふさわしい森厳な森を造るのは不可能な土地に、渋沢栄一ら当時の政財界の大物の主導のもと造営が決定されるや、「かくなる上は己が為すべきことを全うするだけです」と語り、実現に動いた林学者・本郷高徳らの姿に、きっと心がふるえるはず。 

書名:落陽著者:朝井まかて発行:祥伝社
定価:1600円+税

夕刊フジ

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