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「信長の肖像」志野靖史著

  戦国武将で最大の人気者・織田信長は幾多の小説に描かれてきたが、本書は従来にない新しい信長像を見せてくれる意欲作だ。
 戦国の世、加賀国。独特の”似せ絵”が得意な小僧・小次郎は守護・冨樫晴貞から画聖・雪舟の絵巻を授けられ腕を磨き、長じて京に上る。今を時めく狩野一門に加わり、自らの絵を見つけようと修行に励むある日、小次郎は信長から「甲斐の武田信玄の絵を描いてこい」と重大な密命を受けて―。
 絵師・小次郎の眼を通して信長、お市、信玄、家康らを活写したエンターテインメント長編時代小説。小次郎は絵師として戦国の大武将に接するも自らが戦況にかかずらうことなく俯瞰(ふかん)の視点が貫かれることで、当時の世のはかなさ、哀しさが浮き彫りになる。家族を大事にしたり芸術の価値を見極め、引き立てようとしたりする信長像は斬新で、なかなか魅力的。第7回朝日時代小説大賞受賞作。

書名:信長の肖像
著者:志野靖史
発行:朝日新聞出版
定価:1400円+税

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