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「現調」 遠藤 武文 著

講談社
遠藤武文著
夕刊フジの書評から
2014/11/ 7
 　交通事故原因の上位には、漫然運転、脇見運転、運転操作不適、安全不確認などがあげられている。だが本当にそれらが真実だと言いきれるだろうか？
　本書は損害保険査定員の滋野隆幸が活躍するミステリー。重傷を負いつつも病院から失踪した被害者、高速道路を横断しひかれた主婦の黒い噂、事故の記憶がないひき逃げ犯など、通常の警察捜査で見逃された７件の事故の真相が、査定員の「現調（現場調査）」によって暴かれていく。
　元損害保険会社勤務の遠藤氏だからこそ描ける「リアル」と、江戸川乱歩賞作家として極める「エンタメ」を兼ね備えた連作短編集で、デビュー作『プリズン・トリック』以来、交通事故ミステリーを書き続ける著者渾身（こんしん）の１冊だ。作中の事故や自動車保険の情報は決してひとごとではない。全ドライバーにお勧めしたい小説である。

書名：現調
著者：遠藤武文
発行：講談社
定価：1500円+税

夕刊フジ

産業経済新聞社発行が発行する、首都圏・近畿圏を中心に販売されているタブロイド判夕刊紙。ターゲットは30代～60代を中心とした都市型男性ビジネスマン。 WEB版は「ZAKZAK」（http://www.zakzak.co.jp/）で、紙面と同じ記事だけでなく、WEBオリジナルの記事も人気。 書評は毎日掲載しており、紙面ではこのコラムで掲載されたもの以外も読むことができる。

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