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「ゆるゆる人生のみつけかた~金子光晴の名言から」 鈴村和成+野村喜和夫著

  金子光晴をご存じか。戦前から1970年代まで、波乱の人生を生きた大詩人だ。晩年にはマスコミで「エロじいさん」ともてはやされたり、スキャンダラスな夫人との関係は映画にもなった。(関根恵子がエロく好演)
 若き日、中国、東南アジア、ヨーロッパへ足かけ5年に及ぶ極貧の放浪旅行、戦争に対する絶妙な態度など、相当の艱難(かんなん)辛苦を体験した人物だが、その生涯を見わたすと、すこしも苦労した様子がみられないという
。悠々と、飄々と、ゆるゆると、人生をわたっている。死とともに忘れ去られることをいとわず、現世的な人生を生き抜いた金子の人生をシェアしようと、金子ゆかりの地(名古屋、神戸、長崎、新宿、吉祥寺ほか)を2人の詩人が訪ね歩いた旅の記録が本書だ。
 戦争、中国、貧乏、老いなど、現在の日本が直面する危機には、金子光晴のゆるい生き方と数々の「名言」が参考になりそうだ。

書名:ゆるゆる人生のみつけかた~金子光晴の名言から
著者:鈴村和成+野村喜和夫
発行:言視舎
定価:2310円

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