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「遺体―震災、津波の果てに」石井光太著

 大震災を現地で取材した石井光太氏のルポを、「誰も守ってくれない」の君塚良一監督が映画化。遺体を遺族に帰すため、困難に立ち向かう人々の姿が胸を打つ。
 岩手県釜石市。一夜明けても混乱状態が続く市では廃校になった中学校の体育館を遺体留置所として使う。葬儀社を定年退職した民生委員の相葉(西田敏行)は、経験を活かして安置所のボランティアとして参加する。
 市の職員や消防団、警察関係者は次々と運ばれてくる遺体に言葉を失った。遺体の身元確認のために、医者の下泉(佐藤浩市)と歯科医師の正木(柳葉敏郎)は検案や検歯に取り組むが・・・。
 原作は、遺体の捜索や身元確認作業に関わった人たちの実体験を丹念に取材している。肉親や知人の行方が分からないまま、捜索に参加した消防職員や海上保安官たちに感動した。大震災を忘れないためには、10年後、20年後にも読み継がれて欲しい。
 (映画評論家・垣井道弘)

書名:遺体―震災、津波の果てに著者:石井光太
発行:新潮社
定価:1575円

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