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「カラスの親指」道尾秀介著

  日本推理作家協会賞を受賞した道尾秀介氏の同名小説を、伊藤匡史監督が映画化。つらい過去を背負う中年サギ師2人組の鮮やかな手口と大逆転劇が面白い。
 プロのサギ師タケ(阿部寛)は彼を慕うテツ(村上ジョージ)とコンビで仕事をしている。2人はスリの少女まひろ(能年玲奈)を助けたことから、彼女の姉やその恋人まで転がり込み、5人の奇妙な共同生活が始まった。
 だがヤミ金業者を裏切った過去を持つタケは、組織の執拗ないやがらせをうけている。5人は特技を生かし、組織相手に一世一代の大勝負を仕掛けるが・・・。
 逆転また逆転の原作は、映画よりも複雑で手が込んでいる。平凡な営業マンだったタケこと武沢竹夫は、ヤミ金の罠にはまって人生に失敗し、娘まで亡くしてケチなサギ師になった。自信たっぷりではなく、胸の中で「俺は間抜けじゃない」と自分を鼓舞しながら仕事をするところが切ない。
(映画評論家・垣井道弘)


書名:カラスの親指
著者:道尾秀介
出版社:講談社文庫
定価:819円

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