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「ツナグ」辻村深月著

 直木賞作家・辻村深月(みづき)氏の同名小説を、「ROOKIES―卒業―」の平川雄一朗監督が映画化。肉親や恋人や親友を亡くした人の死者を思う気持ちが切ない。
 幼いときに両親と死別した高校生の歩美(松坂桃李)は、祖母のアイ子(樹木希林)からのツナグの仕事を引き継ぐことになる。それは生者と死者の仲介役で、依頼者を一生に一夜だけ死者と再会させるボランティアだった。
 彼はルールに従って、死んだ母に会いたい中年男や、事故死した親友との再会を望む女子高生の希望を叶えてやる。しかし依頼者が死者と会うことで救われるのか、疑問を感じ始める・・・。
 映画では省略されているが、連作短編の形式で書かれた原作は、突然死した人気タレントのエピソードで始まる。誰でも知っている有名人なので、顔を連想しながら読むことができる。死者をめぐる話ばかりでちょっと辛いが、読後感は爽やかで悪くない。
 (映画評論家・垣井道弘)


書名:ツナグ
著者:辻村深月
出版社:新潮社
定価:662円

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