2000年、京都国立博物館。没後200年を記念した画家の展覧会が大ブームとなった。その名は伊藤若冲。精緻な動植物や大胆な筆づかいに人々は驚愕した。日本にこんな画家がいたのか!と。のちの人気は周知の通りだ。
この『若冲展』を手がけた狩野博幸教授に、特集の監修を依頼した時のこと。教授は言った。
「若冲のような画家は、いない。財力があり、報酬を当てにしなかった。絵の才能や精神は圧倒的だが人情もあった。80歳を過ぎても絵が枯れない、ブレない男!」
若冲の人となりや、近年発見された作品、調査でわかった独自の技法。日本美術史上・最強のアーティストは、その絵は、語るべきものをまだ多く秘めている。
これからが若冲を知る好機だ。いまこそ、若冲を見よ!
●俳優・井浦新が語る、「若冲を視(み)る」ということ。
●京都のセレブが隠居して、絵師となった。
●傑作を見よ!①
日本美術の至宝、『動植綵絵』と『釈迦三尊像』。
●傑作を見よ!②
見る者を圧倒、水墨画の大作『象と鯨図屏風』。
●若冲を最も愛する男、ジョー・プライスの願い。
●18世紀の京都が、偉才・奇才を輩出した背景。
●天才絵師の精神を支えた、2人のキーパーソン
●「若冲ワールド」をひも解く鍵は仏教にあった。
●エピソードで紹介、天才絵師はこんな人です。
●自由な発想が生み出した、驚きの技法。
筋目描き――墨の“にじみ”という偶然を、巧みに操る。
枡目描き――江戸時代に編み出された、独自のデジタル絵画。
拓版画/多色摺り――漆黒の闇が引き立てる、白と色彩のモダン
●野菜の行進で幕を開ける、楽しき『菜蟲譜』。
●クリエイターも夢中、私の愛する作品たち。 ほか
第2特集 いま注目すべき、 若手建築家の仕事。
誌名:Pen4/1号
発売日:2015/3/16
特別定価:720円(税込)