エレキ音楽を通して彼らの歌声や一挙一動に魅了され、感情の渦に呑のみ込まれていったあの時代。音楽や思想が社会を動かすと信じられたあの時代。これを機会に、彼らと共に過ごした青春時代、1960年代後半から1970年代冒頭にかけての昭和40年代という時代を改めて振り返ってみようではないか。(プロローグより)
ザ・タイガースは1960年代後半の音楽ブーム「グループ・サウンズ(GS)」を牽引したトップグループ。本書はジュリーこと、沢田研二をはじめとしたメンバー達の上京からグループ解散までの約五年にわたる全軌跡を、膨大な資料を駆使し活写する。
彼らが活躍した背景には、ザ・ビートルズ来日、ヒッピームーブメント、ベトナム反戦運動といった出来事や、高度成長期を迎えて大きく変わっていく日本の姿が重なる。
ザ・タイガースの想い、苦悩、そしてあの時代がよみがえる、渾身の一冊。
【目次より】
プロローグ ロング・グッバイのあとで
第一章 京都から大阪へ―――アイビーとビートルズ
第二章 東京―――GSブームの到来と亀裂
第三章 東京からニューヨークへ―――サイケブームのなかで
第四章 ロンドン、パリそして京都―――解散そして復活
エピローグ 四〇年ロマンス
【著者プロフィール】
磯前順一(いそまえ じゅんいち)
1961年生まれ。国際日本文化研究センター准教授。文学博士(東京大学)。宗教・歴史研究。著書に『喪失とノスタルジア-近代日本の余白へ』(みすず書房)、『宗教概念あるいは宗教学の死』(東京大学出版会)、『どこにもいないあなたへ:恋愛と学問についてのエッセイ』(秋山書店)、『閾の思考:他者・外部性・故郷』(法政大学出版局)などがある。
http://shinsho.shueisha.co.jp/書名:ザ・タイガース 世界はボクらを待っていた
著者:磯前 順一
発売日:2013年11月15日
定価:819円(税込)