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恋愛よりも難しい?...『キミにともだちができるまで。』

 恋愛より、線引きが難しいもの。

「友達」という関係。

友達との間には
 「お付き合いしましょう、
 別れましょう」の境界線を引く言葉はありません。
 そして、恋愛のような指南書も...殆どありません。

人見知りで筆談でしか話せない
 小学1年生のりゅうたろう君。
 なんとかしてお友達を作りたいとして、
 彼のいとこにあたる高校生・清之助宅に居候し、
 清之助を師とした”友達(づくり)100人作戦”に挑みます。

とはいえ、肝心の先生役の清之助は、
 特進クラスで将来有望のエリート高校生。
 大の子供嫌い、かつ、”友達なんていらない”派、
 勉強とおひとりさま時間をこよなく愛する男子です。

とはいえ、清之助のおばの勢いに押され、
 りゅう君の友達作りのための箴言と
 微妙な距離感のある清之助の部屋での
 愉快な共同生活が始まります。

清之助いわく、友達になるためには
 挨拶はきちんとすること、いつも一緒にいること、助け合うこと...。
 ともすれば父と子のような向き合い方のふたりのやり取りの中で、
 りゅう君のみならず、清之助にも
 こころの温度の変化と行動の変化が起り始めます。

互いに友達0人のふたりが、これからどんな形で「友達」
 という存在を作り、増やし、さらに二人の間やそれぞれの家族との
 関係が変化していくのでしょう。

大人になってもよくある議論のひとつ、言葉で境界線が引き辛い
 「友達とは」の定義などなど、「友達」というキーワードを軸にして、
 始まったばかりのこの物語の展開が楽しみです。

楽しみといえば、20歳、宮城県仙台市出身、好物は海鞘(ホヤ)。
 この物語の連載を始めたのと同時期に一人暮らしを始めたという
 新人漫画家の保谷伸さんの未知数の可能性もその一つでしょう。

まさに、漫画家人生も始まったばかり、瑞々しさ満タンの感性とともに
 「”東北の冬”を生き伸びて、スキルアップをしていければ..」と
 おっしゃる保谷さん。世界標準レベルの可愛いりゅう君、
 そして、感情部分の発達いまだ未知数の清之助の
 それぞれの「ともだちができる...」プロセスと成長を見つめながら、
 保谷さん自身の成長も見守ってみたい一作です。

....ともだち。

そういえば自分には何人「ともだち」と言える友達がいるかな・・・。 

【局アナnet】三浦まゆみ(気象予報士、アナウンサー)



キミにともだちができるまで。著者 :保谷 伸定価 :580円(税込)出版社 : 徳間書店 発売日: 2013/1/19

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