読むべき本、見逃していない?

大宮エリーさんの言葉で元気に「声に出して読む絵本」 11月13日からはイベントも

 画家、作家、演出家、映画監督など幅広く活動し、多くの人の心を動かしてきた大宮エリーさん。2019年2月に上梓した『虹のくじら』(美術出版社)は、声に出して読むことを前提にした詩と絵で構成された絵本。

 大宮さんはこの本を「自身のライフワークにもつながる作品」だと言う。BOOKウォッチ編集部は、大宮さんにこの本に込めた思いを聞いた。

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大宮エリーさん(2019年10月31日BOOKウォッチ編集部撮影、以下同)

東大薬学部出身、異色の経歴

 大宮さんといえば、東京大学薬学部出身で広告代理店勤務を経て独立したという異色の経歴の持ち主としても知られている。多岐に渡る活動の根底にはいつも「人を元気にしたい」という思いがあると言う。

「薬学の道は究めませんでしたが、違った形で人を元気したいという思いは変わりません。近ごろサイン会に来てくださる方から『言葉を書いてください』と言われることが増えて、安心したいの? ドキドキしたいの? とおしゃべりしながらメッセージを添えているんです。そんなこともあって言葉を使った表現にも力を入れています」

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写真は、『虹のくじら』(美術出版社)

 『虹のくじら』に収録されている13編の詩と15点の絵はすべて大宮さん自身が創作したもの。ライブペインティングで描いた絵に詩をのせた。本書のあとがきでは、「刺繍のように言葉を編み込んだ」としている。

「『湖畔』という詩は、私がイライラしたときに書いたもの。『水辺にいます こころにさざなみがたつと この水辺に来ます』というフレーズで始まります。『水辺』も『さざなみ』もあまり言う機会がない言葉だけど、声に出してみたらイメージが広がって心が落ち着くんです。また、『十和田』という詩は、私が仕事につまずいた時にイメージする冬の木を表現したもの。冬の木はまるで死んだように見えるけれど、芽吹きの春に向けて準備しているんですよね。同じフレーズを繰り返したり、擬音を入れたりすることで声に出して読むと楽しくなれるような工夫もしました。普段の読書とは違う体験をしていただければと思っています」

普段の読書がもっと楽しく、深くなる

 そもそも大宮さんが「声に出して読むこと」を意識し始めたきっかけは、谷川俊太郎さんの朗読ライブだった。その後、自身でも朗読会を開いてきた。

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「私が初めて朗読会をした時、泣いている観客の方がいたんです。それを見て、私もグッときちゃって。ライフワークにしたいと思いました。自分が声に出して読むことや誰かの朗読を聞くことは普段の読書がもっと楽しく、深くなる。たとえば『私ってこういう服も似合うんだ』といった気づきみたいなことがきっとある。それが元気のヒントにつながればと思っています」

 大宮さんは、『虹のくじら』に収録された詩の朗読や音楽を盛り込んだイベントを2019年11月13日から12月4日まで草月ホール(東京都港区赤坂)で行う。全4回開催され、各回ごとにゲストを迎える。Every Little Thingの持田香織さん、シンガーソングライターの原田郁子さん、お笑い芸人の小沢一敬さん(スピードワゴン)らが詩を朗読する。

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「音楽ライブでもあるし、朗読会でもある。いろんな要素を盛り込みました。即興で生まれるものもあると思います。お客さんと一緒につくっていくような感覚で、同じものは二度とできないかも」

 「朗読」という枠から飛び出した、新しい大宮エリーワールド。どんな展開になるのだろうか。(つづく)

 

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