人間関係を作り上げていくうえで、「話し方」は重要だ。
ほんのちょっとしたひとことが信頼を生んだり、逆に信頼を損ねたりすることもある。
何気ないひとことによって生まれたちょっとした違和感。もしそれが、その場では「気づかなかったこと」として流されたとしても、相手の心の中でそれは残り続け、後の人間関係の大きなトラブルの火種になる可能性もある。
『なぜか好かれる人の話し方 なぜか嫌われる人の話し方 新装版』(ディスカヴァー・コミュニケーション・ラボラトリー著、ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)はそうしたネガティブな影響を与える「ひとこと」を取り上げ、どういう風に言い換えれば「好かれる話し方」になるのかをレクチャーしてくれるハンドブックだ。
では、どんなひとことがNGなのだろうか。少しのぞいてみよう。
相手が話をしてきたとき、「ところでさ」と別の話題に変えてしまうことはないだろうか。これはNG。相手の話をいったん受け止めることなく、別の話題に変えるのは「あなたの話に興味はありません」「あなたを受け入れません」というメッセージになってしまう。
会話を弾ませるつもりで急に話題を変えると相手は孤立感を覚えてしまうかもしれない。まずは相手のボールをいったん受け止めることを意識しよう。
「でも」「っていうか」をつい使ってしまう人は少なくないだろう。相手と話が合っていても「っていうか」と自分の言葉に言い換えたり、小さな矛盾を「でも」と反論していると、いつの間にか周囲から人がいなくなっていることも...。
「でも」「っていうか」という言葉を使うと、相手は「あなたの言うことは不完全」「あなたはわたしより劣っている」というメッセージを受け取る。これを直すには、些細な違いではなく、大きな共通点に目を向けることが大切だと本書では述べられている。
返事をし忘れていた、相手の呼びかけに気づかなかった。もし悪気はなかったとしても、相手からするとそれは最大の拒絶に他ならない。返事をしないことは「相手には最大の拒絶として伝わっている」ということを、普段から心得ておこう。
◇
本書を読むと、口癖になるような何気ない一言が、相手にネガティブな印象を与える要因になっていることが分かる。
周囲とのコミュニケーションがうまくいかないと悩んでいる人にとっては、この中からその原因をつかむことができるはず。ビジネスや友人、家族など幅広いシチュエーションで使える一冊だ。
(新刊JP編集部)
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