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『ドラゴン桜』に学ぶ「勉強や努力を続ける能力」の身につけ方

  • 書名 『東大メンタル 「ドラゴン桜」に学ぶ やりたくないことでも結果を出す技術』
  • 監修・編集・著者名西岡壱誠、中山芳一
  • 出版社名日経BP

TBSで放送中のドラマ・日曜劇場『ドラゴン桜』。
今日6月6日夜9時から放送の第7回では、東大専科の7人が模試に臨むことに。しかし、見込みがない生徒は専科をやめなければならないという桜木建二(阿部寛)から課されたハードルの高さに、生徒たちは精神的に押し潰されそうになる。

■受験の結果を左右するのは「メンタル」である

第7回では受験勉強における「メンタル」にスポットライトが当たるわけだが、志望校に合格するくらいの学力が身につくのか、誘惑に負けずに勉強を続けることができるのか、そして受験の本番で力を発揮できるのか、などなど、受験においてメンタルの重要性は無視できない。

『東大メンタル 「ドラゴン桜」に学ぶ やりたくないことでも結果を出す技術』(西岡壱誠、中山芳一著、日経BP刊)は、このテーマを扱い、今注目を集める一冊だ。学力に限らず、能力や資格、技能を手に入れる過程は、基本的に苦しい。本当に好きでやっている人はともかく、そうでない人の方が圧倒的に多いからである。

だからこそ、「やりたくもない(だけど必要な)ことをつづける」能力が必要だ。本書では、この能力を得るために必要な要素を紹介している。

■人が「やりたくないこと」の中に楽しみを見つける時

人が「やりたくない」と思うのは、そこに意味を見出せないから。「やる意味を感じないこと」をやっている時、人間は強いストレスを感じる。ここをどう乗り越えるのかで、「やりたくないことをつづける」能力が決まると言っていい。

一番いいのは「何でもいいから努力(勉強)に対して、目標や目的を設定してしまうこと」。自分にとっての努力の意味を無理やりにでも作ってしまうのだ。

自分の取り組みが成果となってあらわれてくると、当初やりたくなかったことの中にも「楽しみ」や「充実感」を感じられるようになることは往々にしてある。

本書によると、東大生100人に行ったアンケートで、8割以上が「勉強が好きだ」と答えたそう。一方で「受験を目指して本格的に勉強を始める前から勉強が好きだったか」という質問に「好きだった」と答えた人は4割未満だった。最初は好きでなくても、やっていくうちに好きになっていくことは、確かにあるのだろう。その意味では、「一歩目」を踏み出す前の「やりたくない」という感情をあまり重くとらえないというのも、何かを継続する時にカギになるメンタルなのだろう。

無理やりにでも努力するための目標を作り出したら、次はその目標に「個人的な理由」をつけること。「会社から取得しろと言われた資格を目指して勉強中」「親が喜ぶから東大を目指す」といった他人基準の目標は揺らぎやすい。だからこそ「自分のためにやっている」と信じられる理由が必要なのだ。

明確にやりたいことがあって、その道を突き進むのも一つの人生。
だけど、ほとんどの人は「人生を捧げられるほど好きなこと」には出合わない。

だからこそ、「やりたくないことでもやって、結果を出す」という本書のテーマ(そして「ドラゴン桜」という作品のテーマともいえる)は、受験を成功させるだけでなく、人生の充実にもかかわってくる。

「好きでないこと」の中にも楽しみを見出しながら継続し、大きな成果を出す人生は、「人生を捧げられるほど好きなこと」を探し続ける人生よりも、もしかすると実りあるものになるのかもしれない。

(新刊JP編集部)

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