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「自信」と「信頼」が糧になる 今大注目の経営者が語る20代の過ごし方

  • 書名 『なぜ、倒産寸前の水道屋がタピオカブームを仕掛け、アパレルでも売れたのか?』
  • 監修・編集・著者名関谷有三
  • 出版社名フォレスト出版

台湾の国民的人気カフェブランド「春水堂人文茶館」の日本進出を成功させたことで2018年から2019年にかけてのタピオカブームの火つけ役となり、不況が続くアパレル業界で「スーツに見える作業着」が大ヒット。手がけた事業やプロダクトが次々に話題を呼ぶことで「令和のヒットメーカー」の異名をとるのがオアシスライフスタイルグループ代表取締役CEOの関谷有三氏だ。

その発想力と行動力、リーダーシップの源は何なのか?関谷氏初の著作『なぜ、倒産寸前の水道屋がタピオカブームを仕掛け、アパレルでも売れたのか?』(フォレスト出版刊)を紐解きつつ、ご本人にお話をうかがった。「令和のヒットメーカー」を作り上げた体験や哲学に迫るインタビュー、後編をお届けする。

■「自信」と「信頼」があれば、未知のものへの一歩を踏み出せる

――私たちは、「やったことがないこと」「未経験なこと」に対してつい尻込みをしてしまいますが、関谷さんは飲食もアパレルも経験がないままトライして成功させています。未経験なことにチャレンジする際に感じる恐怖を克服する方法についてご意見をうかがいたいです。

関谷:何かに一歩踏み出す時、背中を押してくれるものは「自信」と「信頼」の二つです。自己肯定と、周りの人から頼られている、周りの人が信じてくれるという実感です。これらが揃った時に一歩が踏み出せる。

だから、小さなことでもいいので自信と信頼を得られる経験を積み重ねていくことが大切だと思います。弊社でも「周りの人からの期待を1%でもいいから超え続けよう」という話をしています。

――また、20代の時に決めていたという「まずは縁のある仕事や環境で、周りが驚くほどの結果が出るまでやり抜く」という決心もユニークでした。この決心はどのようになされたものなのでしょうか?

関谷:自分自身の将来設計を考えた時に、20代は下積みの時期になるだろうと思っていたんですよね。だから、この時期はとことん自信と信頼を得る10年にしようと。そのためには、好きなこと、好きな仕事はひとまず置いておいて、自分に縁のある仕事や環境で結果を残すことが必要だと思ったんです。

その決心があったから、実家の水道屋の立て直しも逃げ出さずにできたんだと思います。5年くらいかかったのですが、5年間で一生涯の自分の支えになる自信と信頼を得られたのだから、今考えると貴重な時間でした。「そんなにやりたくなかったことでも結果を出せたんだから、自分が惚れ込んだものや心の底からやりたいと思うことをやったら絶対成功するはずだ」と思えたんです。

――根性が入っていますね。

関谷:自分でもメンタルは「昭和」だと思います。親の会社を辞めて別の会社に転職することもできたはずなのですが、自分に会社を任せてくれた親の期待もあるじゃないですか。この状況で転職して本当の自信を手に入れることができるのかと考えた時に、答えは「NO」だったんです。

――現状から逃げても本当の自信は得られない、ということですね。

関谷:ゼロから田んぼを作って稲を育ててお米を作るのは、きっとものすごく大変だと思いますが、やり遂げることでものすごく自信がつくでしょう。でも、そこで出来合いのお米を買ってしまったら米作りにおいて自信も信頼も得られません。当時の自分にとって転職するという選択肢はそれに近かったですね。

――タピオカブームを作り、「スーツに見える作業着」でアパレルにも進出した今、関谷さんが次に何を仕掛けるのかが気になります。今後の活動について、お話しできる範囲で構いませんのでお聞かせいただければと思います。

関谷:「アパレルのアップル」を目指しているので、そちらの方でまだまだやらないといけないことがあって僕の仕事もアパレルの比重が高くなっているのですが、いずれは教育業界にも参入したいと思っています。

――それはどのような問題意識からですか?

関谷:現状「塾」というと、勉強を教えたり受験対策をする場所でしかなくて、もっと「考え方」や「生き方」を教える塾があったらいいのにと思っていたので、そういう塾を作りたいです。

また、教育プログラムにも問題があると思っています。象徴的なのが、大学受験などの、試験現場にスマホを持ち込んではいけないというルールです。

これっておかしいですよね。社会に出たらスマホを使って仕事をしてはいけないというルールはありません。使えるものは何でも使って仕事をしていくのに、そうではない状況で戦わせているっていうのに違和感があります。なんでそんなルールがあるかというと、スマホがなかった時代の人が教育プログラムを作っているからです。

昔みたいに暗算とか記憶力で仕事をしてきた時代ならそういうルールが必要だったかもしれませんが、今は記憶力の重要性は下がっていますよね。そういうところも含めて、国の教育を時代や状況に即したものに変えていきたいという気持ちを昔から持っています。

――最後に、読者の方々にメッセージをお願いいたします。

関谷:40代や50代の方々はマーケティングの本として読めますし、20代の方はビジネスパーソンとして成長していくための教科書として読める本になりました。

前者の方々には、今のこの混沌とした時代に何を仕掛けるかという発想や行動の仕方について書いていますし、後者の方々は将来成功したい、大きなことを成し遂げたいという時に今の年齢や立場で何をするべきかについての答えを書いています。

また、リーダーシップやマネジメントについても書いているので、管理職の方々にも参考にしていただけたらうれしいですね。

(新刊JP編集部)

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