本を知る。本で知る。

不安や焦りが消えない人が知るべき「エゴセルフ」との向き合い方

  • 書名 『『世界のエリートが実践する 心を磨く11のレッスン』
  • 監修・編集・著者名ナミ・バーデン、河合克仁、クリシャナラジ
  • 出版社名サンガ

「今この時間を、目の前にあることに集中して取り組む」
たったこれだけで、人生は充実するもの。

だけど、これがすごく難しいというのは、多くの人が実感しているはず。不安や焦り、迷いなど、様々な感情によって、いとも簡単に千々に乱れてしまうのが私たちの心です。

これは「成功者」と呼ばれる人も同様で、周りからはすべてがうまく回っているように見えても、本人は自分の理想との狭間で苦しんでいたり、「右肩上がり」を今後も続けることへのプレッシャーに苛まれていたりします。

■人生の苦しみ、迷い、不安はすべてここからやってくる

『『世界のエリートが実践する 心を磨く11のレッスン』(サンガ刊)は、こうした苦しみや迷い、焦りを引き起こす原因を、「エゴセルフ」という言葉で説明しています。

人間は2つのレベルで同時に生きています。1つは身体(BODY) としての存在、そ してもう1つは心理的なレベルでの存在です。(P 64より引用)

エゴセルフとは、心理的なレベルでの存在(思考、感情、記憶、信仰)の中に宿る「自分」の表現のこと。難しく思えますが、決してそんなことはありません。「他人より優れていたい」「周りの人よりも裕福でありたい」「こんな自分になりたい」といった、競争心や理想像、憧れ、「こうすべき」「こうでなければいけない」という固定観念などを作り出す源泉のことです。

ただ、このエゴセルフがくせ者です。富や名声、成功を手に入れる原動力になる一方で、エゴセルフに執着した頑張り方は長続きしませんし、孤独感や焦燥感など内面に様々な苦悩を引き起こします。短期的なモチベーションにはなっても、人生全体で見るとマイナスも大きいのがエゴセルフなのです。

■エゴセルフに気づかないと同じ過ちを繰り返す

本書によると、エゴセルフに気づくかどうかで人生の幸福度が決まるのは、エゴセルフがその人の思考パターンに強く影響を与えるからです。

たとえば競争心が強いという傾向のある人は、周囲を蹴落として成功していくことには長けているかもしれませんが、強すぎる競争心が災いして、対人関係で問題を抱えることもあります。

この場合、本人が反省して「周囲の人とうまくやろう」と対人スキルを学んでも、おそらく状況は改善せず、また同じパターンで対人関係の問題を抱えることになりがち。人との軋轢が生じる理由が「対人スキル」ではなく「過剰な競争心」だということに気づいていないからです。

競争心が強いというエゴセルフに気づき、そのエゴセルフを元にした思考と行動をしていることに気づかないことには、いつまでも同じ結果を繰り返してしまうことになります。

本書では、自分の深層にある意識に注目して、エゴセルフにとらわれない生き方を手に入れるための「コンシャス」という学びのステップを解説する一冊。人生に満足感を得られていない人や、不安感や焦燥感ばかり覚えて気が休まらない人、将来の心配が尽きない人は、毎日を、そして人生を充実したものにするために、参考にしてみてはいかがでしょうか。

(新刊JP編集部)

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