このコロナ禍で太ってしまった男性は多いだろう。
テレワークや外出しないことによる運動不足、なのに食べる量は変わらない。お腹が出てきたが見て見ぬ振り...というわけにもいかなくなってきた。
そんな男性に向けたダイエット本がある。
一般社団法人日本ヘルスアップダイエット協会代表理事の大上まりあさんが執筆した『ゆるヤセ』(白夜書房刊)だ。「ゆるヤセ」の特徴は、たった3つのメソッドで、ムリなく、健康的に痩せるというもの。さらに、なぜ人は痩せるのかという、原理を詳しく説明してくれている。
この本に出合い、さっそく「ゆるヤセ」を実践中の新刊JP編集部・金井が著者の大上さんにその極意を伺った。後編では「ガチ相談」を行い、目標設定の仕方などについて教えを乞いている。
(聞き手・記事/金井元貴)
――実は私もコロナ禍で太りまして、この本に感化されて「ゆるヤセ」を実践しはじめまして、「水を飲む」「食事の時間に気を付ける」「チートを使う」という3つの達人になれるように奮闘しています。それで、とりあえず目標を定めようと思いまして、2ヶ月で6kgの減量を目指しているのですが、この目標の置き方はどう思いますか?
大上:金井さんは何歳なんですか? あとは身長と体重を教えてください。
――36歳で、171cm70kgあります。
大上:なるほど。まずは念頭に置くべきは、30代後半以上って急に体重を落とすとシワができちゃう年齢なんですよ。20代の頃に比べたらはるかに老化しやすくなっている。これが50代ならたるみを抓めるくらいになります。だから、痩せたけれど老けたということが起こりえるんですね。
では、どんな目標の置き方が理想的かというと、1ヶ月の減量は体重の5%以内までとするんです。
――例えば60kgの人ならば、5%だから3kgですね。
大上:そうです。1ヶ月で3kg落とす。でも次の月は57kgだから、2.8kgというように、どんどん目標減量体重は減っていきます。
あとは、無理して毎日体重計って減った増えたに一喜一憂するよりも、気にせずにトータル1ヶ月で結果的に痩せればいいという感覚で行うといいですよ。
――減りが鈍いと心配になってしまうのですが、それでマイペースに続けていけばいいのですか?
大上:そうですね。特に年齢が高くなってからダイエットをしていると、体が「今は痩せたくない」と拒否する時があるんです。もう無理って。だから、減量を目的としたパーソナルジムなどでは、「チートデー」みたいなものを作って一度カロリーを体に入れてあげて、いわゆる体をダマしたりするわけですが、それも続けていくと慣れてしまいます。
なので、急に量や内容を減らさず、ずっと同じペースで食べていくと、体は定期的にカロリーや栄養が来るということを納得するので、そうやって痩せていけばリバウンドもしにくくなります。
――私の周囲にいる50代以上の男性たちも、漏れなくコロナ禍で太ってしまっていて、ダイエットをしたいという話をするのですが、「ゆるヤセ」のダイエットはどのくらいの期間で考えて実践していけばいいのですか?
大上:どのくらい太っていて、体格がどうかにもよるのですが、私なんかですと、1年半でトータル20kgを落としたことがあるんです。ただ、MAXデブが20kg落とすのと、70kgの金井さんが20kg落とすのは全然違いますよね。だから、その人の体質、体型によります。
また、「ゆるヤセ」は続けていっても、本人にとってちょうどいい形までにしか痩せないんですよ。その先はいくら頑張っても痩せないという体重があって、そこに自然に行き着く感じです。だから、特に期限を決めずに「健康法」くらいの軽い気持ちで取り入れてもらえれば、1~2年くらいで適正体重に収まってくるはずです。
だから、金井さんの場合はまだ若いので、40歳になるまでにこの「ゆるヤセ」のパターンを自分の中で習慣化していただいて、40歳を過ぎた時にダイエットをしなくても大丈夫という状態にするといいと思います。
――ゆっくりのペースで考えた方が。
大上:断然いいですね。むしろ一生ものとして考えたほうがいいです。
――もう一つ相談なのですが、仕事に忙殺されている上に一人暮らしということもあって、食生活が偏りがちになります。脂っこいもの、丼もの、ラーメン、うどんばかりになのですが、解決策は何かないでしょうか。
大上:まずは1回の食事だけで考えず、1日あるいは2日、3回あるいは6回の食事の中でバランスを取ることを意識してください。
日々の食事はもちろん、会食があったり、うっかり友達とラーメン大盛りを食べたりということもあるでしょう。で、1回でも躓くと「守れなかったからもういいや」となってしまいがちです。
でも、48時間の内1回くらいはジャンクなものを食べちゃってもいいので、明日はちょっと胃を休めようとかそういうトータルでバランスを取るという視点を持つといいのかなと思います。
――なるほど。
大上:忙しくて、一人暮らしだと食事が単調になるかもしれませんが、1回の食事ではなく、先のことも考えてメニューを決めるといいのかなと。ラーメン食べたからダイエットは台無し!ということではないので、罪悪感を持たないでください。
もちろん、ずっと毎日ラーメンとかだと脂質が多すぎて太ってしまいますが、ラーメン野菜食、カレー、野菜...という風になっていくといいのかなと。
――先ほど大上さんご自身は1年半で20kg減量したとおっしゃっていましたが、体重が減ってきたなと実感できるタイミングっていつ頃に来ていました?
大上:私の場合、もともと結構太っていたのですが、水を飲み始めて3日目ぐらいは体重が増えたんですね。ただ、理論上では痩せていくはずだからということで、自分を信じて水を飲み続けていたら、5日目に0.7kgほど体重が下がって、そこからどんどん痩せていったんです。最初の月だけで4kgちょっとは減りました。
さらに2ヶ月目には3kg痩せて、3ヶ月目でトータル8kg減量したのですが、そこから肌のたるみや停滞期との戦いが始まって、何度もくじけそうになりました。何度か水を飲むのをサボったりしながらも、でもここまで来てやめてしまうのは怖いというのもあって、自分にできる範囲で続けていきました。
そうしていたら、たるみや皺が消えて、体にフィットした頃にまた2kg痩せてという感じでそれを繰り返し、1年半で20kgです。
――良いペースで痩せていった感じですね。
大上:ただ、そこから先は痩せるなら運動しないと無理だと思います。カロリーの消費量を上げていかないといけないので。
コロナ禍になってテレワークに移行した方も多いと思いますが、私自身はコロナの前からずっとテレワークで、下手したら1日50歩くらいしか動かないときもあります。そういう生活を何年もしていて、運動もしないし、好き放題食べていたから、どんどん太っていったんですけど、食生活を正したらすぐに戻りました。
動かずに戻せる分は戻ったので、あとは筋肉をつけ直さないと痩せていかない。ダイエットではなく、シェイプアップの世界に入ってきます。だから、シェイプアップまで行きたいならそこに向かうことも本人の自由です。
――本書をどんな人に読んでほしいですか?
大上:ダイエットがちゃんとできなかった方、これまでやろうと思って実践したけど、無理だと思って諦めてしまった方、継続が苦手な方でしょうか。筋トレとかでも、張り切って1日、2日はやったけれど、3日目忘れてそのままという人っていますよね。そういうなかなか継続しない人も、このダイエットはやりやすいと思います。水飲むのを1日忘れても、その次の日しれっと飲み始めれば大丈夫ですから。
「ゆるヤセ」はそういうゆるさがあるので、毎日継続できない人や食べることに対して我慢があまりできない人といった豆腐根性の人は合うと思います。私もそういうタイプなので(笑)
(了)
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