「いつまでも元気でいてほしい」
「いままで頑張ってきたんだから、老後はゆっくりしてほしい」
多くの方は大切な人に対して、このように思っているはずです。とくに医療技術の進歩にともない、"人生100年時代"に突入したと言われる近年、健康への意識は高まり、私たちも様々な健康情報に触れる機会が増えました。
でも、情報が溢れかえる今、良かれと思ってやったこと、良かれと思ってすすめたことが、実は間違っていることも・・・。
テレビや新聞だけでなく、インターネットの普及で誰もが、世界中のあらゆる情報にアクセスできるようになりました。当然、情報量は膨大になり、アクセスした自分自身が、その情報は正しいのか、間違っているのか、の判断を何度も迫られます。
「じつは、世の中にあふれる健康情報のなかには、安易に取り入れないほうがいいものもたくさんあります。むしろ、試すことで体調が悪化するケースもあります」
そう話すのは、 『最強の医師団が教える長生きできる方法』(アスコム/刊)の著者のひとり、国際医療福祉大学糖尿病・代謝・内分泌内科学教授の坂本昌也先生。
今回は坂本先生も含め、総勢10名の日本を代表する医師たちが、"体に良さそう"と思われている健康情報について、エビデンスや知見をもとに解答した本書の一部をご紹介します。
質問 糖質制限は体にいいですか?
答え 糖質制限ダイエットは病気のリスクを高めます。
教えてくれた先生:下村健寿(福島県立医科大学病態制御薬理医学講座主任教授)
昨今話題を集めている糖質制限ダイエットですが、その効果に関してはまだはっきりとした結論が出ているわけではありません。短期的には効果があるように見えるものの、その場合にも総エネルギー量が低下していることが多く、糖質を制限したからなのか、摂取エネルギー量が減ったからなのかが明確にわかっていないのです。2014年に行われたメタ解析の検討でも、糖質制限は非常に小さな効果、または効果なしと判定されています。
また、さらに議論を重ねる余地もありますが、糖質制限食は長期的な死亡・心血管イベントのリスクを上げるとも報告されています。(本書P26-27より抜粋)
質問 昼寝や仮眠をする人が長生きできるのは本当でしょうか?
答え 15時までに15分昼寝をすれば長生きできます。
教えてくれた先生:繁田雅弘(東京慈恵会医科大学精神医学講座主任教授)
効率よく仮眠をとることで、夜の睡眠が深く安定したものになり、睡眠の質そのものを向上させる効果があります。
ただし、注意していただきたいのは、仮眠の長さやタイミングです。
日本睡眠学会でも提唱されているように、仮眠の長さは15分から20分が理想的。1時間も2時間も寝てしまえば夜の寝つきは悪くなり、睡眠自体も浅いものになりますので、これではかえって逆効果になります。
同じ理由で15時以降の仮眠もおすすめできません。昼寝や午睡といった言葉もあるように、それくらいの時間までに仮眠をとるよう心がけてください。(本書P80-81より抜粋)
◇
いかがでしたでしょうか。本書ではこの質問以外にも「脳トレはやったほうがいい?」「野菜を多くとるほど、がん予防になる?」など、健康情報に関する疑問・質問に、10人の名医がエビデンスや知見を用いて詳しく解説しています。
健康に対する関心が高まっている今こそ、まずはこの本で確かな情報を得て、健康に長生きするための取り組みを始めてみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)
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