時間に縛られず、嫌いな人と無理に付き合わなくてもいい。
フリーランスという働き方は、会社勤めをしていると羨ましく映るものだし、「いつかは自分も」と考えている人もいるはずだ。
もちろん、いいことも悪いこともすべて自分に返ってくるフリーランス暮らしは厳しさも伴う。スキルや知識、経験など、自分がフリーランスとして売り物にする武器に需要があるかどうかなどわからないし、途切れずに仕事が入ってくるかどうかもやってみないことにはわからない。
ただ、それでもチャレンジしてみたいなら、心に留めておくべきことがある。
『愛されフリーランスのすすめ 楽しく働いて仕事が途切れない私になる4つのルール』(仙道達也著、幻冬舎刊)は、「売れないミュージシャン」からフリーランスとして年商6億円を稼ぎ出すまでになった著者が、フリーランスとして成功するために必要な考え方ややるべきことについて明かしていく。
フリーランスとして生き抜いていくための極意は、ひとことでいえば「顧客から愛され、社会から愛される」ことである。どんなにスキルや能力が高くても、クライアントに愛されないフリーランスは仕事が途切れてしまう。その意味で「愛されるかどうか」はフリーランスとして生きていくうえで、最大のカギなのだ。
本書によると、この点でまず言えるのは、「疲れて寝落ちするくらい没頭できる仕事」を選ぶこと。
大好きなこと、没頭できることを仕事にしている人は、少々の困難ではへこたれないし、集中力も衰えない。誰に言われなくても努力することができる。仕事の出来に妥協することも少なく、結果クライアントを満足させることができる。
クライアントの側も、その仕事が大好きで、毎日でも、一日中でもやっていたいという人に仕事を頼みたいもの。だから、「没頭できることを仕事にしている」は、フリーランスとして愛される第一歩なのだ。
ただ、自分の大好きなことが、そのまま仕事になるわけではないかもしれない。フリーランスとしての「メシの種」は、「没頭できること」と「社会の需要」の間にある。だから、好きなことややりたいことに、多少のカスタマイズを加える必要がある。
「没頭できること」と「社会の需要」の落としどころは、一人で考えていてもなかなかわからないもの。だから、第三者に意見を求めた方がいい。それもできるだけたくさん。できれば、自分が考えている事業の「消費者」となりえる人に聞くのがベターだという。
こうしたディスカッションを続けていくうちに、自分のやりたいことをどうカスタマイズすればビジネスになるかが見えてくることはあるだろうし、意見を聞いてもらった人が発した何気ない需要は、自分のスキルでカバーできるものかもしれない。
そして大事なことは「ゼロイチを狙わないこと」。この世にまったく存在しないサービスを仕事にすれば見返りは大きいが、あまりにも難易度が高い。また、「フリーランスとして生活していく」ということが目的ならば、完全なるオリジナリティはそもそも必要ない。すでに世の中に出ている「成功例」の近くから、自分にとっての「解」を探せばいいのだ。
◇
どんなことを仕事にすればいいか。
どのように自分の仕事の独自性を高めればいいか。
どうやって収益を安定させるか。
会社に勤めながら、副業として始められる、テレワークでできるなど、フリーランスの魅力は多い。これらの恩恵に授かるためにも、フリーランスとして稼いでいくために「越えなければいけない壁」については知っておいた方がいいだろう。
チャレンジするかしないかは自分次第。もし、チャレンジする決心が固まったなら、フリーランスとして仕事をすることで人生逆転に成功した著者による本書は良き参考書になるはずだ。
(新刊JP編集部)
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