「あの人は普段は優しいのに、忙しくなると急に雰囲気が怖くなる」
そんな風に、人は何かストレスが加わると、性格が変わってしまうことがある。どんな性格にも表と裏があるもので、良い面が見えているときはいいのだが、悪い面が出てきてしまうと、手に負えないこともしばしばあったりする。
そうした変化に対応するには、性格がどう変わるのか先に知っておくことが大事だ。
あの人は普段こういう性格だから、こう変わると認識しておけば、対策を立てることができるだろう。
性格研究家のくらはしまやこさんが執筆した『人間観察 極めたら悩み消えた』(すばる舎刊)から、9つのその人を形成する特徴がストレスを受けたときにどう変化するのかを紹介しよう。
このタイプのストレスの原因は「まわりがちゃんとしていない」こと。そうなると、自分の基準を「正義」とする感覚が強くなり、その基準を他者にも適用し、「こうしなさい」と正すようになる。そして、常に怒りを抱えてしまうことに。
このタイプは、ストレスを受けて「愛情を実感したい」と感じると、所有欲や独占欲が出てくる。そして、せわしなく人の世話を焼くことにつながり、「自分がいないと何もできない」という言動が目立つようになってしまう。
「達成こそに価値を見出す」このタイプは、「自分の価値を感じられない」がストレスになる。このストレスを受けると、他者に対しても価値を求めはじめ、値踏みするようになり、最後には虚無感、喪失感に駆られ投げやりになる。
個性派の人は「自分自身でありたい」という気持ちが強く、人から軽視されるとストレスを強く感じてしまう。なので、より相手からの関心を強く求め、他者の気持ちを勝手に知ったかぶることも。
事実をしっかり追うことができる研究者タイプは、「自分はうまくやれないのでは?」という不安を原動力として動いているため、余計な期待をかけられることがストレスになる。結果、現実逃避をして別の何かに没頭してしまう。
「石橋をたたいて渡る」というこのタイプのストレスは、「安全が保障されないこと」が起因となる。ストレスが増すと強い競争心が出てきて、相手に優位に立とうする傾向が出てくる。
「ワクワク大冒険な人」は、ネガティブなことを考えさせられたり、「やらなきゃ」というプレッシャーを感じるとストレスを強める。そして、一人で抱えこんでしまい、自分にも人にもルールを課してしまう。
「ザ・リーダー」ともいえるこのタイプは、周囲にも影響を与えやすいがゆえに注意が必要だ。「自分が無能かもしれない」と感じるとそれが強いストレスとなり、臆病さゆえの陰湿な顔が出てくる。
「みんなの和を保つ」タイプのストレスは「調和がくずれること」。ストレスが強くなると、あらゆることに対して面倒くささが前に出てくる。もし、周囲にこういう人がいる場合は、答えを急かさず、自己主張を相手に押しつけずに接することが大切だ。
◇
時によって気持ちを大きく変化させるのが人間だ。いつでも自分にとってポジティブなわけではなく、ネガティブな反応を見せるときもある。そのときに、相手がなぜそういう態度を取っているのか、その原因となっているストレスはなんなのかを見極めることが、自分のストレスをためないことにもつながる。
本書では人間観察歴「うん十年」の著者が、人の心理や行動をさまざまなアプローチで見続けてきた結果の、人間の性格の見極め方とその対応術が解説されている。「人間関係ってすごく難しい」という人ほど、本書は参考になるはずだ。
(新刊JP編集部)
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