プレゼンや普段の会話で、言うべきことは全部言ったのに、相手の反応を見るとイマイチ腑に落ちていない様子。「もしかしたら俺(私)って話下手?」と思ったことがあるなら、一度自分の「伝え方」を見直した方がいい。
自分の気持ちとは裏腹に、相手に意図が伝わらないなら、それは話が長いからかもしれない。話の内容以前に、ダラダラと説明が続くために、相手が退屈し、集中して聞けなくなってしまうのだ。
テレビのコマーシャルは長くて30秒。この短い間に視聴者の気を引くだけでなく、商品に対して強い印象を与えなければいけない。これにならって30秒の間に自分のメッセージを伝えられれば、相手は理解しやすい。
そこで、30秒で聞き手の注意を引き、関心をつなぎとめ、要点を伝え、自分の要求をはっきり伝える「30秒メッセージ」のテクニックを紹介するのが、『30秒で人を動かす』(ミロ・O・フランク著、上原裕美子訳、青春出版社刊)だ。
30秒メッセージを身につける秘訣は、以下の7つのステップだ。
1.明確な目標を設定する
目標を定めることが、要点を伝える最初の一歩。そして、目標は1つに絞り、明確かつ具体的なものにする。
2.聞き手を定め、その人を理解する
自分は誰にこの話をすべきなのか。聞かせる相手はどんな人なのか、を知ること。そのためには、聞き手の立場になって考え、相手が自分に何を求めているかを見極める。
3.どうすれば一番伝わるか考える
正しいアプローチ方法を1つに絞り、聞き手にも自分にも利益があることを示す。
4.フックを使って話に引き込む
フックとは、聞き手の注意をつかむ狙いで使う言葉やモノのこと。逸話や個人的体験はいいフックになる。ネタ帳をつくり、普段からフックに使えそうな話や体験を書きとめておくといい。
5.話全体のテーマを組み立てる
テーマとは、切り出しのフックと最後の懇願の間に入る話全体のこと。自分が伝えるべき要点を説明し、補強し、ハッキリと例証するために、必要なのがスピーチの基本である「何を」「誰が」「どこで」「いつ」「なぜ」「どのように」の「5W1H」。
6。相手の頭にイメージを喚起する
聞き手がすぐ理解できる、わかりやすくシンプルな言葉を使い、聞き手のイメージを喚起させる。個人的な思いやエピソードを盛り込んだり、感情に訴えて聞き手の心を揺さぶると、相手が受け入れやすくなる。
7.終わらせ方で聞き手を動かす
具体的な頼みをメッセージに入れないと、自分の希望が叶えられることはない。メッセージの締め方は、行動を求めるアクション・クローズと反応を求めるリアクション・クローズの2種類ある。どちらの方法で締めるかは、あらかじめハッキリ決めておく。
これらの7つのステップを踏むことで、30秒メッセージは出来上がる。話が伝わらない、話が長くなりがちという人は、30秒メッセージを実践してみてはどうだろう。コミュニケーションも上達するはずだ。
(T・N/新刊J P編集部)
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