どんな職場でも、頼りにされる人や仕事が集まる人、仕事ができる人には共通点がある。
・すぐ動いてくれる人
・反応がいい人
・作業が速い人
など、つまり「仕事が速い人」だ。
「遅いけど、仕事のクオリティは高い」ということで信頼される人もいるが、多少クオリティに難があっても、とにかく速い人の方が現場では重宝されるのは否めない。
「仕事は、正しい人より速い人が勝つ」としているのが『仕事が速い人が無意識にしている工夫』(すばる舎刊)の著者、中谷彰宏氏。
仕事の速度を2倍にすれば、余った時間で付加価値のある仕事を企画したり、自分の能力を磨いたりと「未来へのタネ」をまくことができる。それらは収入増という形で自分に返ってくるだろう。ある程度の質が担保できるのであれば、仕事のスピードを追求するデメリットはない。
ただ、単純に手を2倍速く動かせば2倍の成果が得られるほど仕事は単純ではない。仕事を速くする本質的な要素とは何か?
ボツになった企画に、負けてしまったコンペ。
どんなに力を込めた仕事でも、思う通りの結果にならないこともある。
こだわった仕事ほど、いい結果が出なかった時のショックは大きいが、それを引きずっているうちは仕事は速くならない。
ボツと言われたらサッと引き下がり、次の企画を練る。負けたコンペは潔く諦めて次に向かう。この切り替えができる人は仕事が速い。いつまでも粘っても悪い結果が変わるわけではないからだ。
何かを改善しようとすると、ほとんどの人は「どこを変えるのが一番効率的だろうか」と考える。つまり、最も労力の少ない方法で、最大の改善効果を得ようとする。
ただ、効率を追い求めると、効率的なものを探すことに時間を使ってしまう。これが一番遅くなる理由だ、と中谷氏は言う。改善するならすべてを改善する。急がば回れではないが、それが長い目で見ると一番速いのだ。
トラブルがあった時や困った時に相談できる人がいる点も、仕事が速い人に共通する。もちろん、相談したらすぐにレスポンスをくれる人の方がいい。
一番問題なのは「人に頼ったら負け」と考えることだ。こういう人の仕事は何か障壁に当たった時点でいったんストップしてしまう。これではスピードも何もない。
「困ったら、すぐ誰かに相談する」
「すぐにレスポンスをくれる人を見つけておく」
この二つができている人の仕事は速い。
◇
本書を読めば、仕事の速い遅いは能力の問題ではなく、メンタリティの問題だということに気づくはず。
仕事が多すぎて自分の時間を取れない人が現状を変えるのに役立つのはもちろん、急な仕事の変更にストレスを感じる人、上司に振り回されて時間を奪われている人にとっても、本書は多くの学びを与えてくれるはずだ。
(新刊JP編集部)
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