慶應義塾大学在学中は人工知能記憶材料系マテリアルサイエンスを研究し、人間の「心」を探求。そして同時に、英国発祥のメンタリズムを日本のメディアに初めて紹介し、日本唯一のメンタリストとしてあまたのテレビ番組で唯一無二のパフォーマンスを展開。
その後、活動をビジネスおよびアカデミックに方向転換し、企業のビジネスアドバイザーやプロダクト開発者、作家、大学特任教授といった肩書きを次々に獲得。また、続々ベストセラー著作を刊行し、発行部数はすでに累計300万部を突破――。
そんなメンタリストDaiGo氏が、輝かしい経歴と莫大な収入を手に入れた勉強メソッドを満載した著書『最短の時間で最大の成果を手に入れる 超効率勉強法』(学研プラス刊)を刊行した。本書の特筆すべきコンセプトは「従来の勉強法の完全否定」だろう。
それが最もよく表れている内容が「マーカー」「アンダーライン」についての記述である。
私たちのほとんどが「効果的」と信じて行っている勉強メソッドに、テキストやノートに使用する「マーカー」「アンダーライン」がある。テスト前になると、極彩色のペンを使ってテキストやノートを鮮やかに色づけした経験のある人も多いはずだ。だがDaiGo氏によると、この2つは「使えない、ただの気休めでしかない勉強法」だという。ここで、その理由を説明しよう。
教科書でマーカーやアンダーラインで塗られた箇所を見ると、人間の脳は「ここが重要ポイントだ!」と自動的に判断する。これが脳に対して良くない影響を及ぼすのである。
マーカーやアンダーラインを引くことで、脳は満足してしまう。だが実際は、色付けされた箇所を見ただけの段階では、脳はあくまで「重要な情報」を選別しただけで「この内容に覚える価値がある」とまでは考えないのだ。すると当然、勉強の中身は頭に定着することがない。
さらに、マーカーやアンダーラインは印をつけた「特定の情報」にだけ意識を集中させるため、「使える知識として身につかない」というデメリットもある。
たとえば「600年に遣隋使が派遣された」という情報にマーカーやアンダーラインを引いた時、あなたの脳は年号と歴史用語にだけ注意を向けるだろう。
だが、本当に大事なのは当時の日本がどのような環境で、なぜ遣隋使を送る理由があったのかを大きな流れとしてつかむこと。にもかかわらず、脳の注意が「色づけした箇所」だけに向かうため、情報の全体像が掴みにくくなる。そして必然的に、丸暗記重視の客観問題には対応できても、応用問題になるとまるっきり役に立たない知識ばかりが頭に残ってしまうというわけだ。
これからのAI時代、「丸暗記」だけで通用する知識は、ほとんど役に立たなくなることは明らか。「学んだ知識」を自分の血肉にして、確実に「肩書き」「収入」につなげていかないと人生を思い通りに生きて行くことは難しい。
ここに挙げた例はあくまで一例に過ぎず、同書には数多くの"過激なメソッド"が収録されている。そしてそこには「偉い人に教わったやり方」「皆がやっているやり方」を鵜呑みにせず、自分の頭脳で人生を切り拓いてほしいという、DaiGo氏から読者への熱い想いが込められているのである。
最後にDaiGo氏は、読者に次のようなメッセージを送っている。
「現在の教育界は、昔ながらの非効率な勉強法であふれています。
どれだけ時間をかけても"やったつもり"になるだけで、真の成果は得られません。
本当に必要なのは、科学に裏づけられた"正しいテクニック"だけを使うこと。
そして一日でも早く、貴重な時間を限界まで有効に使う『超効率勉強法』に転換することなのです!」
帯に書かれているように、「先生に教わったやり方」を根底から覆すメソッドが詰まった一冊。DaiGo流の掟破りの勉強法を試してみてはいかがだろうか。
(新刊JP編集部、DaiGo氏写真撮影:干川修)
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