あなたは、普段どこを使って呼吸をしていますか?
かなりの人が「口」と答えるのではないでしょうか。
でも、実は人間の身体は、「口」よりも「鼻」で呼吸するようにできています。
鼻が不調になると、日常生活でさまざまなつらさを味わうことになってしまいます。
そんな鼻の健康を保つ習慣や、家でも職場でも手軽にできる「鼻づまり」の対処法を『鼻は1分でよくなる! 花粉症も鼻づまりも鼻炎も治る!』(今野清志著、自由国民社刊)から紹介していきます。
私たちは呼吸するとき、酸素だけではなく「一酸化窒素」も吸い込んでいます。
一酸化窒素は肺の気道や血管を拡張し、鼻の健康にとって大切な役割を果たしています。
そして、鼻は一酸化窒素の貯蔵庫であり、鼻呼吸でないと一酸化窒素の恩恵を全身にめぐらせることができないといいます。
そんな一酸化窒素を効果的に取り入れられるのが「鼻深呼吸」。そのやり方はいたって簡単です。
①お腹を膨らませながら、鼻からゆっくりと息を吸い込む。
②お腹が膨らみきったところで、鼻から「フン、フン」と小刻みに息を吐き出す。
これを一度に3回繰り返すだけです。
小刻みに鼻から息を吐くと、静かに息を吐いたときに比べ、一酸化窒素をより多く体に取り込むことができると、著者の今野さんはいいます。
鼻がつまって苦しくなったら「鼻つまみ」をしてみましょう。
①鼻から軽く息を出したら、親指と人差し指で軽く鼻をつまむ。
②20秒ほど息を止めてから、静かに鼻で呼吸を再開する。
今野さんによると、こうすることで鼻の中が一酸化窒素で満たされ、鼻の気道が広がり、鼻づまりが解消できるそう。
ポイントは、少し苦しくなってきたところで、鼻をつまむのを止めること。鼻づまりがひどいときは、1分間のインターバルをおいて何回か繰り返します。
くしゃみ、鼻水、鼻づまりの大きな要因に「鼻の粘膜の腫れ」があります。これを防ぐには、日常的に鼻まわりの血流をうながすとよいそうです。
手軽、かつ、効果的にそのケアができるのがお風呂です。湯船につかるとき、タオルをお湯で濡らして鼻の穴をふさがないように乗せます。 タオルが冷えたら、お湯につけ直し、5分ほど温めればOK。
また、湯船につかる時間がないときは、濡らしてから電子レンジで30秒〜1分程度温めたタオルを鼻にのせることで、同様の効果が得られるとしています。
風邪やインフルエンザが流行る時期には、一日中マスクをつけている、という人は少なくないでしょう。そのせいで、一年中マスクをすることが習慣になっている人もいます。
ところが、今野さんによると、鼻の健康のためには日常的にマスクをすることは好ましくないそう。その理由は、どんなに薄いマスクでも空気が通りにくく、「口呼吸」になりやすいためだそう。口呼吸は、鼻呼吸よりも酸素を取り込む量が少なく、喉や鼻を乾燥させやすいなどのデメリットがあります。可能な限り呼吸は鼻でするのが好ましいようです。
また、マスクを一日中つけていると、マスクの表面にウイルスや細菌が付着。飲食のたびにマスクを外すと、マスクを触った手や鼻からウイルスや細菌が体内に取り込まれるリスクが高まります。
どうしても、長い期間マスクをつけたいときでも、最低限、外出先から戻ったらマスクを交換する、翌日は新しいマスクにするといったことを心がけるべきだといいます。
また、睡眠中の姿勢によっても口呼吸になりやすいと今野さんは指摘します。特に悪いのが「うつ伏せや横向きで寝る」こと。
睡眠時も鼻呼吸をキープするのに好ましいのは仰向けで寝ることだそうです。普段の癖で仰向けで寝るのが難しい人は「枕を低くすること」で仰向けの姿勢を保ちやすくなるといいます。
枕を買い直すのが難しいなら、バスタオルを折りたたんだものを、枕の代わりにしてもOK。くるくると丸めたバスタオルを首の後ろに当てると、自然な首のカーブを維持することができ、仰向けの状態を維持しやすくなります。
◇ ◇ ◇
どの対処法や習慣も、それほど難しいことではないのではないでしょうか。まずは手始めにどれか一つを実践して、鼻づまりのないスッキリした生活を目指しましょう。
(新刊JP編集部)
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