2017年半ばから「投資」の対象として注目を集めていた仮想通貨。 年明けまで驚異的な高騰ぶりを見せていたが、一転して市場全体が急落。その後、コインチェック社によるNEM不正流出事件が起き、なんとなく「儲かるらしい」という噂に誘われてこの時期に仮想通貨投資に手を出して痛い思いをした人も少なくないだろう。
しかし、ブームが去り、今、仮想通貨市場は落ち着きを取り戻しつつあるようで、改めて仮想通貨投資を始めるなら今が好機という見方もある。
とはいえ、どんな投資でも知識と情報はリスク回避には必要不可欠。その部分で参考になる一冊が『仮想通貨の天国と地獄 知れば天国! 知らねば地獄! 資産を倍増させる5つのキーワード』(坂本好隆著、サンクチュアリ出版刊)だ。
本書から、仮想通貨投資を始めるにあたって押さえておきたいポイントを紹介しよう。
仮想通貨に限らないが、投資は「情報」が命だ。
しかし、ツイッターでなんとなく流れてきた誰だか知らない人間がつぶやいたものも「情報」だし、多くの人に認められた専門家の視点から語られるものも「情報」だ。一口に情報と言ってもピンからキリまである。
どんな情報をキャッチするかで、どの仮想通貨を買うか、いつ売るかの判断は大きく変わる。 そこで大切なのが「上流の情報」を押さえることだ。
仮想通貨を発行している組織や市場に影響を与えるインフルエンサーの発信する情報は、相場を左右することが多い。短期的な投資をするなら、情報のスピードはかなり重要になるので、上流の情報をチェックできるようにしておくことは大切だろう。
そうした情報の多くは、海外から日本に流れてくることが多い。語学に自信がない場合は、日本語でその情報をいち早く翻訳してくれるサイトやSNSをフォローしておくといいだろう。
どの仮想通貨を買うかは、大きな悩みどころのひとつだ。 著者は、これから上昇する仮想通貨の期待値を見定めるひとつの目安になるのが「マイニングをしている会社を見る」ことだと述べる。
マイニングとは、簡単に言えば、全世界で取引される仮想通貨の取引台帳を管理する作業のこと。この作業には膨大な消費電力がかかるため、マイニングのためのチームや会社が存在する。
多くマイニングされている仮想通貨は、それだけ取引が多く、人気があるということだ。そこで、マイニングしている通貨を見て、投資の判断材料にすることも短期的には有効な手段の一つだという。
仮想通貨市場は、一般的な投資よりも相場の上下が激しい。それゆえ一獲千金を狙うイメージがあるが、手堅く資産を増やす方法もあるという。それが「アービトラージ(裁定取引)」だ。
これは、取引所間の価格差を利用して利益を出す手法。
仮想通貨を売買できる取引所は日本国内にも複数ある。しかし、同じ仮想通貨でも取引所ごとに若干の価格の差がある。たとえば、ある取引所から100万円で購入した仮想通貨が、別の取引所では101万円で売れるという状況があるわけだ。
一般的な投資に比べ、仮想通貨は売買にかかる時間が短いので、手堅く利益を出せる可能性はある。もちろん、取引にかかる手数料なども考慮に入れなければいけないし、仮想通貨市場は変動が激しいのでタイミングの見極めも重要になる。
当たり前の話だが、投資は自己責任だ。もし、中途半端な考えで始めると地獄を見ることになる。
これから仮想通貨投資を始めよう、急騰暴落で痛い思いをしたけれど再チャレンジしようと考えているなら、何よりも「知識」と「情報」を身につけておくことをおすすめしたい。
(新刊JP編集部)
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