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毎日歯みがきしていても...口臭の原因「歯周病の」怖い現実

  • 書名 『「歯みがき」するから歯は抜ける』
  • 監修・編集・著者名大岡洋
  • 出版社名現代書林
「全世界で最も患者が多い病気は歯周病である。地球上を見渡しても、この病気に冒されていない人間は数えるほどしかいない」

とギネスブックに認定されるほど、現代人にとって大敵となっている歯周病。口臭の原因となるばかりか、放置すると歯周組織が破壊されやがては歯を失う原因になるということ、だからこそ日々のケアが重要なことは、今や多くの人が知っているはずです。

■毎日歯みがきをしていても...歯周病の怖い現実


しかし、親知らずを含めて32本もの歯が生える口の中を、食べカスや汚れを残すことなく完璧にブラッシングするのは難しいことです。毎食後欠かさずやっている人でも、全ての歯をきちんとブラッシングできているとは限りません。

上記のことは『「歯みがき」するから歯は抜ける』(大岡洋著、現代書林刊)に書かれていることですが、この本によると、お風呂で体を洗う順序が人それぞれ決まっているように、ブラッシングについても「自分のスタイル」や「クセ」が定着しやすいそう。

つまり、「ある歯については毎日ブラッシングするけど、別のある歯は毎日やり残す」ということがありえるということ。毎日ブラッシングをしているのに虫歯があったり、歯周病になったという人は、自分のブラッシングのクセを見直すべきかもしれません。

■正しいブラッシングとは?


ではやり残しを作らないコツとはどのようなものでしょうか。

本書では3つのポイントが明かされています。

1.奥歯から始める
「どの歯からブラッシングするか」はその人のクセがもっとも出やすいところ。オススメは奥歯から。前歯から始めてしまうと行ったり来たりが多くなり、動きに無駄が多くなってしまいます。

基本は端の歯から始めて、反対側の端まで。
上の歯の外側を奥歯から始めて反対の奥歯まで。次は上の歯の内側を、今度は戻ってくるように奥歯から逆の奥歯まで。さらに上の歯の下側(噛む面)を奥歯から奥歯まで。

このように、歯ブラシの移動はできるだけシンプルにする方が、歳をとって手の筋肉が衰えた後のことを考えるとベターなようです。

2.歯肉の境目をゆっくり「揺らす」
また「ブラシを入れるべき場所」と「ブラッシングの圧」も重要です。

ブラシの位置は「歯肉と歯の境目」が基本。ここは舌や頬による自浄作用が効かず、汚れがたまりやすい場所です。

そして、この部分を弱い圧で繰り返し時間をかけてブラッシングするのが正解。
これによって、歯周病だけでなくむし歯の予防にもつながります。

歯には凹凸があるため、ブラシを横に勢いよく動かしても窪んだ場所の汚れは取れません。だから、ブラッシングしたい場所にブラシを位置づけたら、その場で1mm~2mm程の振幅で小刻みに揺らすようにブラシを動かす方が、奥まった場所の汚れが取れやすくなります。

また、このブラッシング方法には、血管の集合体である歯肉をマッサージすることになり、歯肉を引き締める狙いもあります。

本書によると、一か所につき20~25往復が目安で、数mmずつ移動して同じことを繰り返すのがポイント。時間がかかる方法ですが、全ての歯をしっかりブラッシングできます。

3.鏡を見ながらブラッシングする
全部の歯を確実にブラッシングするためには、鏡でブラシの当たり方を確認しながら行うことが不可欠。

「ブラッシング」は手の筋肉運動であり、生活習慣による影響を受けやすいもの。鏡を見ずに感覚に頼ってしまうと、元々自分が持っている癖クセに戻ってしまいやすくなります。正しいブラッシングをキープするために、鏡によるチェックが大事なのです。

日常的に鏡で口の中を見ることになるため、口腔の異常に気づきやすいというメリットも。

長時間のブラッシングになりますから、洗面台の前に立ってブラッシングするのではなく、ソファーなどに腰かけてリラックスした姿勢で、鏡を持ってブラッシングを行うのがおすすめです。

また、必ずしも毎回時間をかけてブラッシングをする必要はありません。一番重要なのは、口の中の唾液量が減って細菌が増えやすい就寝中に備えた寝る前のブラッシング。ここは時間をかけて念入りに行いつつ、慌ただしい朝や昼は簡単なブラッシングにとどめるというスタイルでもOKです。



正しいブラッシングのフォームや、重点的にブラッシングすべき場所、そしてやり残しをなくすための道具など、本書では口の中を健康に保つために必要な知識をイラスト入りでとてもわかりやすく解説しています。さらに、本の中で書かれている方法をすぐに実践できるよう、毛先に特徴のあるブラシが付録で入っています。

歯周病は本人が気づかないまま進み、自覚する頃には取り返しのつかない状態になっていることが少なくない病気。「自分は大丈夫」と慢心せずに正しい口内ケアを学んでみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)

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