『「つらい腰痛」は指1本でなくなります:薬も道具も使わない、「腰痛緩消法」なら自分で治せる!』の著者、坂戸孝志さん
なかなか治らない、マッサージや整体で少し痛みが和らいだと思ったらまたぶり返す、やっかいな腰痛。「うまく付き合っていくしかない」と完治を諦めてしまっていませんか?
しかし『「つらい腰痛」は指1本でなくなります:薬も道具も使わない、「腰痛緩消法」なら自分で治せる!』(三笠書房刊)著者で、「腰痛アカデミー」主催の坂戸孝志さんによると、多くの腰痛は、「改善」ではなく「完治」が可能。そのカギになるのが、坂戸さんが自身の腰痛体験から作り上げた「緩消法」だといいます。
この「緩消法」とはどのようなものか、そして一時は寝たきりだったという自身の経験について、ご本人のお話をうかがいました。(新刊JP編集部)
――『「つらい腰痛」は指1本でなくなります:薬も道具も使わない、「腰痛緩消法」なら自分で治せる!』について、本書では坂戸さんが提唱している「緩消法」が解説されています。この方法はあらゆる種類の腰痛に効果が見込めるのでしょうか。
坂戸:まず、腰痛に種類があるのかという話なのですが、体の痛みというのは基本的には2種類です。1つは「ケガをしている状態の痛み」で、どこかを切ったとか、ケガをしてしまった時の痛みを指します。こちらの治療については医師の仕事であって、「緩消法」は効果がありません。
もう1つの、「長い間ずっと痛い」という慢性的な痛み全般に「緩消法」は効果が見込めます。というのも、これについては種類はないんです。「椎間板ヘルニア」とか「脊柱管狭窄症」とか「腰椎すべり症」とか、病院ではいろいろな名前を付けられますけど、たとえばヨーロッパではこうした診断は下されません。
今あげたどれであっても「筋肉が固くなっているから、少し休みなさい」と言われるだけです。
――診断名はどうであれ、痛みの原因は筋肉が固くなっていることだ、と。
坂戸:そうですね。腰に痛みがあるならば、痛む部分の筋肉が固いので、その部分の筋肉だけを柔らかくすれば、とりあえず痛みは消えます。ただ、体の表面近くの筋肉を柔らかくしただけでは、放っておくとまた固くなるので、痛みが再発するんです。
完治させたいのであれば、体の深い部分にある筋肉までみんな柔らかくしないとダメで、その方法を今回の本で書いています。
――腰が痛い時、多くの人がまず考えるのは「マッサージに行こうかな」です。この方法でも筋肉は柔らかくなるのでしょうか。
坂戸:揉むと筋肉は固くなるので、マッサージは腰痛の改善という意味では逆効果になってしまいます。マッサージをしてもらっている時は気持ちがいいですが、気持ちいいことと治るかどうかは全く別の話だということは、知っておいていただきたいですね。
――筋肉が固まる原因についてもお聞きしたいです。
坂戸:筋肉が固まる原因は2つあって、1つは使いすぎた時。もう1つは全く動かさなかった時です。
ただ、知っておくべきは、人間はみんな腰痛を誘発する「爆弾」を抱えているということです。自分の腰を触っていただくとわかりますが、腰の中心から左右に3cmくらいのところに、カチッと固まって弾力がない筋肉があると思います。
これは2か月以上動かさないことによって固まった筋肉なのですが、寝たきりでもない限り、腰まわりにある筋肉を2カ月も動かさないなんてありえないと思うかもしれません。
実は、人間は誰でも生まれてからハイハイをしはじめるまでは「寝たきり」ですよね。この間に、腰部分を左右に折り曲げる「腰方形筋」が固まってしまうのです。これが「爆弾」であり、人間の腰痛の原因なんです。
――「デスクワークで腰を痛めた」という人がいたとしたら、それはデスクワークそのものが原因ではなくて、デスクワークによって抱えていた腰痛の要因が表面化したにすぎない、ということですか。
坂戸:そうです。だからこの固まった部位を柔らかくしてしまえば、10時間程度机に向かっていた程度で痛みは出ないはずです。
(後編につづく)