相手より自分を「上」のステイタスに格付けようとする「マウンティング」という言葉があります。「対等なはずなのに、なぜか自分を見下してくる」と感じる人、たまにいますよね。
ただ、マウンティングはそれと見破られたら相手を不快にさせるだけですが、気づかれずにできれば大きな武器にもなります。
■交渉でモノを言う 主導権を握るマウンティングとは
ビジネスは、商談も会議も主導権の取り合いで、言ってみればマウンティングの連続です。
交渉上手な人やリーダーシップのある人は、相手と自分の上下関係をその場に応じて調整できる人、つまり相手に知られずにマウンティングしたりさせたりが上手な人だといえます。
たとえば商談は難しいもので、営業マンは仕事をもらう側にもかかわらず、へりくだると信頼されなかったりします。相手から信頼され、交渉で主導権を取るなら、相手に「自分よりすごい人だ」と思わせる振舞いをすべきです。
この時のポイントは
・ゆったり、重たい動きをする
・大きい空間を使ってふるまう
・低い声でしゃべる
・ムダな動きをしない
・リアクションを1テンポ遅らせる
など。
空間と時間をゆったりと使うことで、堂々と風格ある印象を与えることができます。質問などに対しても、聞かれてすぐに答えずに少し間を作ってみると効果的です。
■自分の印象は操作できる!知っておきたい「しぐさの法則」
『伝わり方が劇的に変わる! しぐさの技術』(荒木シゲル著、同文舘出版刊)には、交渉の例のように、言葉ではなくしぐさや体の動きで、相手に与える印象をコントロールする方法が解説されています。
それによると、頭や胸、足など体のパーツごとに、しぐさにおける役割があるそう。たとえば胸やお腹、腰はこんなことを表すようです。
・胸……気持ちの強さ、意識の向かう方向を表現する
胸はモチベーションの高さや意識の向いている方向を表現することができます。胸を張っている人は気持ちが充実しているように見えますし、胸が下向きになると自信がなさそうに見えますよね。
・お腹…欲望、勤勉さを表現する
お腹は欲望の強さや勤勉さを表します。前に突き出すと鈍感でだらしない印象をあたえますし、逆に鍛えられた腹筋からは強い意志が感じ取れます。
・腰…本能、性的な表現、自信、気持ちの安定を表現する
性器のある腰は、性的表現や本能、自信といった、人の根源的な部分をイメージさせます。 へっぴり腰だとおびえた印象に、腰が安定していると自信を印象づけられます。
もちろん、これ以外の「腕」や「足」にも役割があります。相手に気づかれずに上下関係を操作できる人は、こうした体の動きをフル活用しているのです。
◇
「人間、2人集まれば政治が生まれる」と言われるように、どんなに親しい友人でも、程度の差こそあれ上下関係は存在します。その上下関係を作り出すのが、学校や職場など、人が集まる場所にあふれる「目に見えないマウンティング」です。
相手からのマウンティングをコントロールして自分が優位に立つことができれば、もっと思い通りに、もっと快適に仕事を進められるはず。そのために、本書で解説されている、体の動きとその意味合いについて知っておくことは、大いに役に立つはずです。
(新刊JP編集部)
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