さまざまなものに向き不向きがあるように、投資にも人によって向き不向きがあるものです。
株価上昇にわく中で、「株に手を出してみようかな」と思っている人は少なくないはずでしょう。しかし、安直に手を出すのは当然ながら危険です。まず、自分が株で「稼げる人」なのか、「損する人」なのかを知ることが、成功するための一つの要因となるのです。
では、株で損する人とはどんな人なのか? 『ここが違った!株で稼ぐ人、損する人』(冨田晃右/著、集英社/刊)からご紹介しましょう。
■「1円も損をしたくない」と思っている
どんなことでも勝ち続けることはできません。どこかで失敗をしたり、損をしてしまうものです。それは株も同じで、「絶対に損をしたくない」という思考をする人は株に向いていないといいます。
お金の使い方には「消費」「浪費」「投資」の3つがあり、多くのマネー本の場合「浪費をなくし、消費をできる限り抑えて、投資にかけるお金を増やす」ことを勧めています。確かにそれは重要かもしれませんが、なんでも「浪費になってしまった、損をした!」と考えるほうが損。浪費であれ消費であれ、マイナスになってもそこから学ぶことは必ずあるはずです。
勝ち続けることができないからこそ、必要なのはその失敗をいかに教訓にするかということ。「損をしたくない」ではなく、使って学ぶことが大事なのです。
■「簿記」という言葉に苦手意識がある
株式相場において、簿記の資格は必要ありません。ですが、最低限、日商簿記の3級程度の知識は持っておきたいと冨田さんは言います。
「3級程度」とは、企業で働く者に必須の基礎知識レベルです。お金を稼ぐための経済活動のしくみを学ぶことで、どうしてロスカット〈損切り〉が必要なのかが理解でき抵抗感がなくなるのです。
「ただの一度のロスも許せない」という思考は株においてはかなり危険。「勝つ」ことは大切ですが、何よりも「稼ぐ」ことが第一です。ロスカットは稼ぐために必須ですから、「簿記」の知識はしっかりと頭に入れておきしょう。
■「サラリーマンだから毎日はできない」と言い訳をする
本書で冨田さんは、株で稼げるようになるには、個人投資家ではなく個人トレーダーになることが必須だとしています。
トレーダーというと、1日中難しそうな株価チャートを見ているイメージがありますが、冨田さんが運営する株式スクール冨田塾では、相場が開いている時間帯は原則、株価チェックをしないというやり方を勧めています。そして、例えば「週」の単位でチャート分析をする場合は週に1回、チャートをじっくり見る時間をつくるのです。
チャートの分析は毎日ずっと見ている人よりも、規則正しく働くサラリーマンのほうが向いており、焦っておかしなタイミングで買ってしまうことも少なくなるのだそうです。
株をやるならばやはり損をしてはいけません。ですが、そう簡単に上手くいくものではないのがこの世の筋です。
本書を読むと、どういう人が「稼げる」のか、どういう人が「損をするのか」がはっきりと見えてくるはずです。その上で、まずは自分がどっちの人間なのかを知り、株をやるならどのようにマインドを変えるべきかを考え、行動に移すのです。
生半可な気持ちで手を出そうと思っている人には、読んでおくべき一冊といえるでしょう。
(新刊JP編集部)
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