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さしこ総選挙1位の裏で功労者たちが健闘 その理由とは?

 6月6日に行われた「第7回AKB選抜総選挙」は、HTK48の指原莉乃さんが2年ぶりに女王に返り咲くという結果に終わった。投票総数は昨年を上回る328万7736票にのぼり、平均視聴率は関東地区で18.8%となった。指原さんの名前が呼ばれた瞬間に、最高視聴率23.4%を記録したという。

 7回目を迎えた選抜総選挙だが、今回も立候補制が導入されており、小嶋陽菜さんや松井玲奈さんなど、辞退を決断したメインメンバーもいる。それでも、ここまで大きな盛り上がりを見せたのはいったいなぜなのか?

 『萌えビジネスに学ぶ「顧客を熱中させる」技術』(藤原実/著、中経出版/刊)は3年前に出版された本だが、総選挙についての分析は非常に興味深いものがある。
 著者の藤原氏はこの総選挙を「参加型ゲーム」の象徴だと指摘し、自分の応援するメンバーがどれだけの票を得るのか、そこから得られる一喜一憂など、「ミッション性」「バッヂシステム」といったゲーミフィケーションの要素を考えて企画されているのではないかとつづる。

 今回の総選挙でも確かにその要素は見受けられた。その最もたる出来事が、上位80名の中に27名のメンバーを送り込んだSKE48の“大躍進”だろう。これはAKB48の23名を上回る数字だ。
 ここ数年のSKE48は苦難の道を歩んでいるように見える。その中でも、相次ぐ人気メンバーの卒業は特に象徴的で、ファンにとっても期するものがあったのではないか。SKE48の苦難の「ものがたり」がメンバーとファンの結束を強くしたのかもしれない。

 また、藤原氏は「ものがたり」に乗ったファンは、単なる消費者ではなく組織の構成員として、その組織への帰属意識を高め、どうして自分は消費し続けるのかを語り始めるという。
お金や時間を費やすファンの行動は、マニアっぽく見える部分もあるだろう。しかし、意図的にせよ、偶然にせよ、製品サービスに「参加」させる「余地」こそが「ものがたり」を生むのだ。

 「世代交代」が課題だったAKB48にとって、今回の総選挙の最大の焦点の一つはどれだけ世代交代が進むのか、だった。しかし、蓋を開けてみると、長く活動してきたメンバーにとって「努力が報われた」総選挙になっていたのではないかと感じる。
 7回目の挑戦で14位にランクインし、初めて選抜入りを果たした高柳明音さん(SKE48/NMB48)、8位という自身最高位を記録した宮澤佐江さん(SNH48/SKE48)、そして同じく自身最高位(2位)を記録した柏木由紀さん(AKB48)など、これまでチームを支えてきた功労者たちのランクアップは非常に印象的だった。

 この総選挙を受けて、今後どのようにAKB48は発展していくのか。これからも「波乱」が続きながら、物語は紡がれていくはずだ。
(新刊JP編集部)

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