仕事の成果だけでなく、職場の居心地やモチベーションにいたるまで、「人間関係」はさまざまなところに影響します。
特に直属の上司、直属の部下と信頼関係を作っていけるかは、その職場でうまくやっていけるかどうかと同義だといっても過言ではありません。では、たとえば「部下に信頼される上司」と「信頼されない上司」にはどんな違いがあるのでしょうか?
今回は“半面教師”として『目標達成し続けるリーダーの「できない部下」を「デキる部下」に変える7つのこと』(大林伸安/著、明日香出版社/刊)から、「部下に信頼されない上司」の行動と特徴をいくつか紹介します。
■部下に自分のことを話さない
上司と部下の関係に限ったことではないのですが、人は見えないもの、わからないものに対して恐怖心や不安を感じますから、「何を考えているかわからない人」のことを信頼しようとは思いません。
どんな性格で、どんな考え方をするかわからない上司は、部下からしたらどこに「怒りのスイッチ」があるかわからず、コミュニケーションの距離感が掴めません。そうなると、信頼どころではなくなってしまいます。
だからこそ、部下と信頼関係を築いていくためには、自分がどんな人間かを部下にわかってもらわないといけません。弱点も含めて積極的に自己開示することで、部下は安心して仕事をすることができます。
■部下が自分に何を期待しているかがわからない
部下と上司でコミュニケーションを取ることはもちろん大事なこと。しかし、ただコミュニケーションを取るだけでは不十分です。
普段からよく部下に声をかけていても、仕事でアドバイスを求めた時や、相談を持ちかけた時に的外れなことばかり言う上司は部下からしたら「大事な時に役に立たない上司」ということで、やがてはそっぽを向かれてしまいます。それならば、普段は部下それぞれの自主性に任せておいて、ここぞというポイントでは的確なアドバイスをする方が、部下からはありがたがられ、信頼されるのです。
上司として「部下に期待する働き」があるように、部下も「上司に期待する働きがあります。その期待を把握して行動する上司が、「信頼される上司」です。
■部下の感情を受け止められない
たとえば、ミスをした部下と彼の上司が面談していたとします。すると突然、部下が「全責任は私にあると認めます。だから、もう面談は終わりにしましょう」と言い出しました。こんな時、「信頼される上司」はどんな行動を取るでしょうか?
A、潔い態度を誉める
B、私はそうは思わないと伝えた後、自分の意見を述べる
C、休憩を取った後、もう少し話し合おうと提案する
D、コメントは避け、別の機会にもう一度話し合おうと提案する
正解は「C」。
ビジネスでどちらかに100%非があるという状況はまずありません。それなのに部下が「全部自分が悪い」と言い出したのは、感情的になっているからであって、本心では自分が悪いとは思っていないでしょう。ですから「A」は論外。「この上司は私の気持ちをわかってくれない」と態度を硬化させてしまいます。
「B」」「C」「D」は、いずれも一旦間を取るという対応です。この間は「B」のように短すぎても「D」のように長すぎてもいけません。
「C」のように、ちょっとした休憩くらいの時間が程よいのです。
部下の力を伸ばすのも殺すのも上司次第。
それも、彼らとどんな人間関係を築くかにかかっています。
本書には、部下の能力を伸ばし、自分のチームの成果に結びつけるために、上司として何をすればいいかが体系立てて説明され、上司としてうまくいかずに悩んでいる人にも、初めて上司になってどうしていいかまだわからない人にも有効。部下が働きやすく、育ちやすい上司像がイメージできるようになるはずです。
(新刊JP編集部)
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