乙女チックな演出と仲間由紀恵演じる葉山蓮子の強烈なキャラクターで人気を集めている、朝の連続テレビ小説『花子とアン』(NHK)。
その蓮子のモデルとなった柳原白蓮は、ドラマと同様に資産家の夫を捨てて年下の愛人とかけおちし、当時の新聞を大いににぎわせた女流歌人です。白蓮のスキャンダラスな生涯は『花子とアン』をきっかけに有名になりましたが、その兄・柳原義光が男色スキャンダルで、これまた新聞沙汰になっていたことをご存じでしょうか?
妹がかけおちをして世間を騒がせたことから、貴族院議員を辞任した義光は、「ヤーさん」というあだ名で身分を隠して俳優の男とつきあっていました。しかし義光がその男と別れようとしたときに身分がバレて、「手切れ金ちょうだいッ!バラすわよ!」と脅迫されてしまい、驚いて警察に駆け込んだところ、一部始終が新聞記事になってしまいました……。
そのときの記事の見出しがスゴイ。
「奇怪 柳原義光伯に 乱倫極まる行為 寵を受けた男の脅迫から 変態的全貌を暴露」
この記事のくわしい内容は、7月に発売された角川文庫『乙女の日本史』に載っています。この本は、2009年に歴女ブームを先取りしてベストセラーとなった本の文庫版で、当時、新刊JPでは音声ドラマを作成して内容をご紹介しました。文庫化にあたっては書き下ろしコラムを4本も収録しているそうです。
http://www.sinkan.jp/radio/radio_897.html
また、朝ドラと同様、気になるのが来年の大河ドラマ。主人公の「吉田松陰の妹」って誰? という方には、本書の中の書き下ろしコラム「吉田松陰の妹とその夫・久坂玄瑞」を読んでみて下さい。司馬遼太郎の小説などでは「ブスだったので久坂玄瑞とは不仲だった」とされている、かわいそうな妹なのですが、今回あらためて史料をたどってみたところ、意外にも愛情あふれた夫婦であったことがわかったそうです。
本書は「週刊歴女」という、マンガとイラストで週刊誌風にデザインされたページが特徴で、まるでワイドショー感覚で日本史を学ぶことができます。今年の復習と来年の予習に、手に取ってみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)
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