一昔前までは、「管理職といえば男」が当たり前でしたが、ご存じの通り今は女性管理職や女性経営者も決して珍しくありません。
今後も女性リーダーはさらに増えていくと考えられますが、まだまだモデルケースが少ないせいか「目指すべきリーダー像」が見つからないと悩む女性もいるはず。
『女性のためのリーダーシップ術』(猪俣恭子/著、幻冬舎/刊)は、男性リーダーとは一味違った、女性ならではのリーダーシップを教えてくれる一冊です。今回はなかでも男女の違いが出やすい「コミュニケーション」に注目します。
■苦手な相手ほど共通点を探す
すべての部下があなたを信頼してついて来てくれたらいいのですが、そんなことは稀です。会社には立場も性格も違う人が集まっていますから、反りが合わない人も、もしかしたらあなたのことを嫌っている人や、嫉妬している人だっているかもしれません。
リーダーは、そういった「苦手な人」とも信頼関係を築かなければなりません。こんな時はあえて自分から近づいて、相手との共通点を探しましょう。好きな食べ物でも、嫌いなものでも、どんなに小さいことでも構いません。相手との共通点が見つかって会話が弾むようになると、今まで「苦手」と思っていた部分が誤解だと気づいたり、気にならなくなったりということが多々あるのです。
■「沈黙」の時間を大事にする
自分の問いかけに対して相手が答えあぐねていると、その沈黙の時間が耐えられないのか、相手の答えを待たずに話し始めてしまう人がいます。仕事ができて、頭の回転が早い人ほどこの傾向は強いかもしれません。
でも、会話は「言葉」だけで成り立っているわけではありません。「沈黙」だって会話の一部であり、必要な「間」なのです。
自分のタイミングで話続けるのではなく、相手に合わせてみる。会話に「沈黙」が生まれたら、それも相手と一緒に味わう。この細やかな気配りは、男性よりも女性の方が得意なはずです。
■必要なのは「アドバイス」ではなく「わかってあげる」こと
部下の指導もリーダーの仕事ですから、必要があればアドバイスをしましょう。ただし、部下が申し出ないうちから「ああしたほうがいい」「こうしたほうがいい」と口を挟むのはNG。これでは部下の自主性を奪ってしまいます。
アドバイスは原則的に「部下から求められたら」がベター。それまでは、部下の話を徹底的に聞いて、彼らの考えを深く理解するという姿勢でいましょう。そうすることで、これまではアドバイスしないとできなかったことに、部下が自分の力で答えを見つけるようになります。
その意味では、部下を引っ張るのではなく寄りそうことが、女性リーダーが成果を出すポイントなのかもしれません。
本書には部下とのコミュニケーションだけでなく、マネジメントの方法、セルフコントロールなど、女性リーダーにこそ必要な、職場での立ち居振る舞いとノウハウが多数掲載されています。
今のうちに身につけて、既存の男性リーダーとは一味違ったリーダーシップで活躍する女性リーダーを目指しましょう。
(新刊JP編集部)
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