健康のために、ダイエットのために食事に野菜を取り入れようとしている人は多いでしょう。
特に毎日忙しいビジネスパーソンは、ついつい食生活が偏りがちになるため、積極的に食べたいと思っている人もいるはず。
もちろん野菜を食べることは大事ですが、よりダイエットを効率的にしたいと考えている人は食べ順をしっかりと考えるべしと、アドバイスするのが野菜料理研究家の庄司いずみさん。
庄司さんの新刊『いますぐできる3ステップ!野菜食べ順ダイエット』(集英社/刊)では、まず「生野菜」、次に「温野菜」、そして最後に「スープや汁もの」の順で食べることで、太りにくくなると指摘しています。この食べ順さえ踏まえていれば後は何を食べてもOKとのこと。
でも、どうしてこの順番がいいのでしょうか? そして本当に何を食べてもいいのでしょうか? 今回は庄司さんにインタビューを行いました。後編は忙しい&付き合いの多いビジネスパーソン必見の情報が満載です!
(新刊JP編集部)
――そして最後のステップが「スープや汁物」ということですが、ステップを追うごとに、だんだんと温かい食べ物を取るようになっているのはどうしてですか?
庄司:温かいものを段階的にとっているわけではなく、一番に生野菜をとるのは酵素をとるためです。
ご質問の通り、3番目のスープや汁ものは温かいものをと、この本で勧めてますが、それは汁もので内臓をダイレクトに温め、消化力を高める意味があります。
また、汁ものをとるのにはもう一つ理由があって、2番目にとった食物繊維は水分でふくれるため、満腹感が生まれ、食べ過ぎを防ぐ意味もあります。
――その後は何でも食べていいと書かれていますが、ダイエットしている身としては「本当にいいの?」と思ってしまいそうです。これは本当に何でも食べていいんですか?
庄司:いいです。
ガマンガマンのダイエットは結局は長続きしません。
好きなものを食べられる方法なら続けても辛くないし、また、3ステップのあとなら空腹感はある程度おさまっているから、食べ過ぎず、適量を楽しむことができます。だから、好きなものを食べても今までよりも太りにくいのです。
――「食べ順ダイエット」に限らず、ダイエットにおいて「これは食べない方がいい」というNGフードがあれば教えていただけますか?
庄司:何を食べてもいいダイエット法なので、絶対にダメ、というNGフードはないのですが……。なるべくなら、脂質と糖質が一緒になったメニューは控えめにしたほうが無難です。
炭水化物などの糖質をとると、血糖値を安定させるため、インスリンが分泌されますが、インスリンが糖を細胞に運ぶとき、中性脂肪が多いと体脂肪として蓄積されてしまうのです。
脂肪分も砂糖もたっぷりの洋菓子はわかりやすい例ですが、ごはん+脂肪分の多いカレーライスや、カツ丼、天丼なども危険なメニュー。
とはいえ、絶対に×ではなく、食べ順したあとに少量を楽しむならOKです。
――本書の特徴はやはり「コンビニ」や「ファーストフード」などのシーン別「食べ順レッスン」だと思います。これはとても実用的ですぐに実践したいと思いました。特に居酒屋は、行ってもダイエットに気にせずにいろいろ食べれそうですね。食べ順ダイエットとお酒の相性についてはいかがですか?
庄司:日本酒など糖質の多いお酒を飲み過ぎるとやはり太りやすくはありますが、適量を楽しむならかまわないし、焼酎など、糖質の少ないものを飲みながら3ステップのおつまみを楽しむのはいいと思います。
――ダイエットをしていると、どうしてもカロリーだけを注目しがちですが、コンビニやスーパーで食材を選ぶときに他に気を付けたほうがいい項目はありますか?
庄司:原材料は含まれる量が多いものから順番に表示をしなければならないことになっています。砂糖が早い順番で表示されているものは味付けが甘めで糖質も高め、油が早く表示されているものは脂肪分の多いメニューということになります。いずれも太りやすい料理ということになるので、気になる時は調べてもいいですね。
――庄司さんがベジタリアンになったのはどうしてなのですか?
庄司:今20歳の娘が生まれたときに、乳腺炎というトラブルを起こし、その治療のために肉や魚料理など、油っこい料理を控えるよう指導されたことがきっかけです。
もともと野菜のほうが好きだったのですが、体のために……と無理をして食べていた側面もありました。
ちょうどその頃からマクロビオティックなどが流行り始め、野菜だけでもいいんだ、と目からうろこ。
それ以来です。
――庄司さんが影響を受けた本を教えていただけますか? 料理本に限らずなんでも大丈夫です。
庄司:たくさんありすぎますが……。
石井好子さんの『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』を読み、なんておいしそうなオムレツだろうとウットリしたことを覚えています。まだ中学生くらいのことでベジタリアンではなかったのですが……。
塩田ミチルさんのエッセイ本なども好きでした。
――本書をどのような方に読んで欲しいとお考えですか?
庄司:肉や魚料理など、何でも楽しみたい方に。 野菜を上手に食べれば痩せるのはもちろん、健康や美容にもとてもいい方法なので、ぜひ知っていただきたいです。
――最後に、読者の皆様にメッセージをお願い致します。
庄司:賢く野菜を食べて、スリムに、健康になりましょう!
(了)
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