「うまい話にはウラがある」という言葉があるように、人から聞かされる話は、自分にとって必ずしも「いい話」ではありませんし、知り合う人が皆「いい人」というわけでもありません。そう、私たちの身の周りには「乗ったらいけない話」や「付き合ってはいけない人」がひしめいているのです。
これらに引っかかっていては、願っているような人生は手に入りません。幸せな人生を送るためには、これらを避ける技術を持っておくべきなのです。
『40代で後悔しないためのカスを掴まない技術』(大坪勇二/著、角川学芸出版/刊)はこの技術を磨くためにうってつけの一冊。今回は、著者の大坪さんにインタビュー!身近にいる「乗ったらいけない話」や「付き合ってはいけない人」を見分ける秘訣を伺いました。その後編です。
―しかし、私たちのような会社員はそこまでの危機感を持たない人が多いはずです。こんな人が「カス」を見分けるにはどうすればいいのでしょうか?
大坪:「カスな仕事」ということでいえば、それを自分のところに持ってきたのがどんな人か、という点に注目すればいいと思います。
たとえば、何かトラブルがあった時に、まっさきに逃げてしまう人や他人のせいにする人、状況が変わるとてのひらを返したように態度を変える人が、どんなにうまい話を持ってきても簡単には信用できないはずです。仕事を見極めるのも基本的にはこれと同じですね。
―となると、「人を見る目」が大事になってきます。「カスな仕事」を持ってくる「カスな人」はどのように見分ければいいのでしょうか。
大坪:僕の場合は、まず話の内容に不自然なところがないかと見ます。前に言ったこととの整合性がとれているかということもありますし、あとは反応ですよね。たとえば、こちらの質問に対して一瞬返事が遅れたとしたら、そこに何かあるのではないかと考えます。
また、初対面の人が信用できる人かどうかを判断するならば、会話のなかに複数回出てくる単語を注意して聞いておくといいと思います。その人がよく使う単語は相手を理解するためのヒントになるので。
たとえば、人は周囲の人間関係が充実していて、寂しさを感じていない時には「絆」という言葉はあまり使いません。だから、「絆」という言葉が会話の中によく出てくる人は、もしかしたら寂しい人なのかもしれない。そういう風に、相手がよく使うキーワードから、相手の性質を推測してみると「カスな人」を見分けやすくなるのではないでしょうか。
―プライベートの異性関係で「カスな人」の見分け方がありましたら教えていただければと思います。
大坪:相手の子ども時代の話を聞くというのはいい方法だと思います。それと、今現在両親とどういう関係を築いているかというのも大事な要素ですね。特に、男性は父親とどんな関係にあるか、女性は母親とどんな関係にあるかということを聞き出すことをおすすめします。
もし、良好な関係にあるということであれば、人格の根本的なところで怒りを抱えていたり、屈折していたりということは考えにくいので、かなりの確率で「カスな人」ではないと言えるはずです。
―私たちが直面する可能性の高い「カスな人」としてたとえばどのような人が挙げられますか。
大坪:会社員の方は、どちらかというと社外で会う人に気をつけるべきでしょうね。もちろん社内にも「カスな人」いるのでしょうが、身内にいる限りは大きなトラブルにはなりにくいですから。
プライベートの時間で知り合う社外の人だとそうはいきません。関わると破滅させられるような人だっていますし、大変な不利益を被ることだってあります。デート商法や訪問販売もそうですし、久しぶりに会った昔の知り合いが別人になったように変わってしまっている可能性だってあるわけです。
だからこそ、「カスな人」を見抜く目は持っておくべきだと思います。
―本書をどんな人に読んでほしいとお考えですか?
大坪:すでに独立している人もいるでしょうし、これから独立して「カスな人」「カスな仕事」に遭遇しやすいということで、30代の方々に向けて書いたのですが、これからはいわゆる「正社員」という働き方はどんどんなくなっていくはずで、個々人が業務請負という形で会社に関わっていくというケースは増えていくでしょう。
そうなると、必然的に今いる組織の外にいる人との接点は増えますから、この本で書いている「カスな人」「カスな仕事」の避け方は役に立つことは多いはずです。その意味では、今会社に勤めている方々に、年齢問わず読んでいただきたいですね。
―最後になりますが、読者の方々にメッセージをいただければと思います。
大坪:経済的に成功するかどうかというのは、どんな人と付き合うかでほぼ決まってしまいます。となると「カス」を見分けて回避することは、成功するかどうかの生命線です。
この技術は会社の中にいても大事なのですが、会社の外に出た時は特に必要になります。この本に「カスを掴まない技術」について書いているので、読んでいただいて、40代以降、経済的に満たされつつ、自分が心から好きになれる仕事に就いているという人がたくさん出てきたら、僕も幸せです。
(新刊JP編集部)
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