休日に新宿や渋谷を歩くと、同じ服装、同じ髪色の母娘が仲睦まじく買い物をしているのを見かけることがあります。こんな「ペアルック」は極端だとしても、基本的に母と娘は仲がいいものだというイメージがありますよね。
しかし、どんなに仲が良い家族であっても他人は他人。どうしても許せないことだってあるはずです。
たとえば、お母さんのこんな行動を嫌だと思っていませんか?
■「片付けなさいよ!」「掃除しなさい」…小言ばかりの母
使ったものとちょっとそのままにしておいただけなのに「片付けなさいよ!」「掃除をしなさい」と小言を言ってくる母親。ちょっとでも口答えをしようものなら、追いすがってきて延々と文句を言われます。これでは、悪いのは自分だとわかっていても、従うのが嫌になってしまいますよね。
『母と娘の「しんどい関係」を見直す本』(学研パブリッシング/刊)の著者、石原加受子さんによると、この時の母親の心理は、一言で言うなら「孤独への恐怖」。
親くらいの年齢というのは、ちょうど自分の老いがはっきりと自覚され、それゆえに孤独になるのがひどく怖くなる時期なのです。また、それとは別に、子育ての期間ずっと「子ども中心」の生活を送ってきたことで、自分主体に生きる感覚がわからなくなり、他人と関わることでしか時間を過ごせなくなってしまいがち。母親のそういった心理が表れたものが「小言」なのです。
これがわかっていれば、しつこい小言にイライラした時でも、感情に任せて言い返した揚句に口ゲンカになることは避けられるのではないでしょうか。
■呼び出しておいてグチばかり
電話での母親の声に元気がなく、心配になって実家に様子を見に行ってみると、母親はケロッとした顔で「元気がない素振りを見せないと、あなたは帰ってこないじゃない」と一言。イラッとする娘に、日常のグチを延々と聞かせる母親…。
どんな人でも、元気がない親を放っておくことはできません。母親はそれを知って、わざとそのように振る舞っていたわけですが、これも娘の立場からしたらうんざりしますよね。
こんな時のグチに付き合うのはかえって親のためになりません。
これも「孤独への恐怖」がもたらす行動の一つなので、親を自立させるためにも、グチは受け流して、取り合わない姿勢を見せた方が賢明。これは「小言」についても言えることです。
家族だから仲がいいとは限りませんし、家族として近くにいるからこそイライラすることもあります。
本書は、そんな家族間の人間関係、特に「母と娘」の不和に焦点を当て、双方が幸せに生きるためにどのように付き合っていけばいいかを教えてくれます。
今ある家族のもめ事は、ちょっとしたイライラや怒りが何十年も少しずつ積み重ねられた結果です。本書を読めば、それを少しでも改善し、家族の関係をいい方向に向けていくための方法が見つかるはずです。
(新刊JP編集部)
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