ワールドカップブラジル大会開催まであと2ヵ月弱。サッカーファンならずとも日本代表の活躍を楽しみにしているファンは多いはずだ。本田圭佑選手や香川真司選手、長友佑都選手といったヨーロッパのビッグクラブに所属する選手も増え、日本代表躍進への期待は大きい。
そして、彼らのようなトップアスリートの発言には世間の注目も集まるもの。例えば、本田選手がACミラン入団会見で発言した「リトルホンダ」のように。
トップ1%のサッカー選手の言っていることと、世界中の成功者が言っていることやビジネス、成功法則の研究結果などがさまざまな部分で一致していることに気付いたと言うのが水野俊哉氏だ。
『トップ1%のサッカー選手に学ぶ成功哲学』(水野俊哉/著、すばる舎/刊)では、著者の水野氏が多くのビジネス書、自己啓発本を読んで研究してきた成功法則とワールドカップに出るようなサッカー選手の名言との共通項を探っている。
■(―ミランを選んだ理由は?)
「心の中のリトルホンダに聞いてみた。どのクラブでプレーしたいのか、と。ACミランだと。だからです」
本田圭佑(ACミラン)『日刊スポーツ』(2014年1月8日)より
これは本田選手の入団会見でのひとコマだが、会見後、「リトルホンダ」の正体についての憶測がメディアでも話題となった。水野氏は、「リトルホンダ」の正体は「潜在意識」のことだろうと分析する。
潜在意識に願望を植えつける方法は、「アファメーション」や「ビジュアライゼーション」がよく知られている。「ビジュアライゼーション」とは、ポジティブな状況を視覚的に想像すること。「アファメーション」とは「肯定的自己睡眠」のことで、ポジティブな言葉を繰り返し口に出して言ったり、心の中で繰り返すことで自己催眠をかける方法。「ワールドカップで優勝する!」と公言する本田選手だが、このアファメーションを活用し、有言実行する男だということは世間にも知られていることだ。
心の中のリトルピープルと会話をすることで、夢の実現に近づけるのかもしれない。
■「ボールは追いかけてる奴にだけ転がってくる」
岡崎慎司(1.FSVマインツ05)
『岡崎慎司物語』(佐久間力著、工藤晋原作、講談社)より
「セレンディピティ」とは、偶然の幸運に気付く能力のこと。トップ1%のストライカーは試合中、何度もこのセレンディピティを活用しているという。日本代表でいえば岡崎慎司選手がそうだ。
背が高いわけでも、特に足が速いわけでもない。プロ入りしたばかりの頃は「利き足はダイビングヘッドです」と言っていたほど。しかし、今や現代表でのゴール数は38ゴールの岡崎選手がダントツである。2014年は、ブンデスリーガでも日本人過去最多タイの13ゴールをすでにマークしている(いずれも2014年4月20日時点)。
誰よりも確実に大事な試合の大事な時間にゴールを決める。ただ、彼はドリブルでDFを抜いて、華麗にシュートを決めるというタイプではない。豪快なシュートやヘディングシュートもあるが、泥臭く決めたゴールや偶然のように見えるゴールも多い。まさに、試合中に偶然に気付く能力、「セレンディピティ」を発揮しているといえる。
サッカーは頭脳だけのスポーツではなく、走らなければチャンスを掴めない。ビジネスにおいても資格試験など知識やパターンを勉強するだけではだめで、現場で汗をかくビジネスパーソンにのみ大きなチャンスが転がってくるのだろう。
現在のヨーロッパで活躍している日本代表選手たちの言動は、成功哲学に則ったものであると、水野氏は語る。選手の能力が高いことはもちろんだが、厳しいプロの世界で活躍する選手の考え方や言動は、ビジネスで活躍するサラリーマンや経営者にも通じるところがある。
選手たちの発言などの側面にも注目しながら、2ヵ月後のワールドカップを観戦すれば、より深く楽しめるはずだ。成功法則を使う今の日本代表ならば…これまでを上回る成績を残すのも夢ではないかも!?
(新刊JP編集部)
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