最近、会社の飲み会に行きたがらないという若い人が多い。たしかに自分の時間が大事というのもわかるが、飲み会の席でのコミュニケーションは信頼関係を築くチャンスでもあるのだ。
『やっぱり、飲みにケーションでしょ!』(細田収/著、角川学芸出版/刊)は、人見知りで営業が苦手な人、ジェネレーションギャップで部下または上司とうまくコミュニケーションできない人、飲み会のようなざっくばらんな他者との交流が苦手な人など、人間関係に悩むすべての人に向けた、誰でもできるコミュニケーション術の指南書だ。
そもそも、どうして会社の飲み会に行きたくないのだろうか?
その理由の一つとして挙げられるのは、上司と飲むのがつまらないからということだろう。では、なぜ、つまらないのか。それは間違いなく仕事が常に絡むからであり、社会的な役割でしか付き合っていないからではないだろうか。
プライベートなどお互いに持っている情報が少ないことが多いし、話をすると仕事オンの状態のことが絡んでくる。部下から見ると、信頼できない上司もいる。会社のなかの上下関係が濃くても、プライベートでは信頼や人間関係が薄いので、そもそも人として興味がわかなかったり、仕事以外では付き合いたくないと思いがちなのだ
仕事上での付き合いを、プライベートと切り離して考えている限り、どこかで限界がくる。なぜなら、相手のことをもっと知ろうとか、深く関わろうという意識が薄いので、面白みがないからだ。
上司に「今日は無礼講で」と言われても、上下関係がある以上、どうしても人は自分を解放しきれないもの。友達同士は横関係だからこそ、気を遣わずに、自分を解放することができるから楽しいといえる。
だから、“飲みにケーション”がしたいのであれば、飲み会に上下関係を持ち込んではいけない。社会的に地位が高い人でも、できるだけ素の状態で人対人の関係性をもつ。そんな場を作るという意識が大切になる。
本書では、信頼関係を築く“飲みにケーション”7つのルールを紹介している。
ルール1 とにかく相手を理解しよう
ルール2 自分を開示しよう
ルール3 共通点を見つけよう
ルール4 相手の興味・関心事は深掘りしよう
ルール5 小さなひとことを見逃すな
ルール6 愚痴・小言・批判はNG
ルール7 3回は意識して接点を持とう
友人との飲み会では自然と出来ているかもしれないが、上司や部下との飲み会で、この“飲みにケーション”7つのルールを意識すれば、今まで知らなかった相手との共通点が見つかるかもしれない。
飲み会で何かしらの共通点などを見つけて会話をすれば、廊下ですれ違ったら相手が挨拶をしてくれるようになったなど、小さな変化が生まれる。
その小さな変化をきっかけに、飲みにケーションしていくと、少しずつ信頼関係は深まるだろうし、そのスキルは飲み会だけでなく、仕事・プライベート問わず人脈を広げる上でかなり使えるはずだ。
会社の飲み会が苦手という人も、面倒くさがらずに出席してみると、同僚の新たな一面を発見できるかもしれない。信頼関係が築けた人との関係は仕事だけでなく、人生も豊かにしてくれるのではないだろうか。
(新刊JP編集部)
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