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3倍速で本が読める速読法 そのコツとは?

 文章をすばやく読んで素早く理解する「速読」の能力があったら便利ですよね。
 趣味の読書に関していえば「ゆっくりじっくり読む」というのは一つの楽しみ方ですが、仕事や資格試験の勉強などでは、やはり同じ理解度ならば速く読めた方がいいに越したことはありません。
 『世界一楽しい速読: 全脳開発トレーニング楽読講座51分DVDつき』(楽読研究所、ピース小堀/著、学研/刊)はそんな速読を、自宅にいながらマスターできる一冊。
 今回は著者のピース小堀さんにインタビュー、本書で提唱されている速読法のコツを伺いました。

■1分間に4000文字読める「楽読」のキモは?
―本書についてまずお聞きしたいのが、この本に挙げられているトレーニングによって、本当に本を読む速度が2倍、3倍になるのかということです。

小堀「トレーニングをやっていただけたらもちろん可能です。つい最近もある会社で研修の講師をした時にレッスンをやったんですけど、その一回のレッスンでみなさん読む速さが平均で2倍になりました。もちろん、理解度は落とさずに、です」

― 一度のレッスンでそれほどの効果があるとは驚きです。小堀さんご自身も「楽読」によって文字を速く読めるとのことですが、これを身につけてからどのように生活が変わりましたか?

小堀「単純に同じ時間でたくさんの本が読めるようになったことで、自分の知りたい情報が速く得られるようになりました。
僕はこの「楽読」の仕事以外に企業の研修や経営者のコーチングの仕事をしているのですが、「楽読」によってたくさんの情報に触れられるようになったことで、話題の引き出しが増えたと思っています」

―人の何倍もの速さで本が読めても、本によってはわざとゆっくり読んだりすることもあるのでしょうか。

小堀「小説ですとか、楽しみながら読みたい本はゆっくり味わって読んでいますね。反対に、仕事で読まなければいけないレポートなどは素早く読みます」

―本書で明かされている「楽読」のメソッドの中に、文字を「見る」のではなく「眺める」というものがあります。この違いは素人にはなかなかわかりにくいところかと思いますが、詳しく教えていただけますか?

小堀「普通、本を読む時というのは、文字を目で見て、考えながら脳に入れていきます。
声を出さずに頭の中で“音読”しながら読む人は多いと思うのですが、これはまさに文字を目で追っていく読み方だといえます。
この読み方では側頭葉のウェルニッケ野という部分が使われるのですが、その部分は細胞の数でいうと2万個ほどです。
これに対して、「眺める」というのは文字を文字として頭に入れるのではなく、イメージとして脳に入れていきます。この方法だと後頭葉の視覚野が使われるのですが、この部分は1億2000万個も細胞があります。
「見る」のと「眺める」のでは使える細胞の数がまったく違うんです」

―この2つの方法について、記憶への残り方に違いはありますか?

小堀「映画を観たらあるワンシーンが強烈に記憶に残ったということがあるように、映像って記憶に残りやすいんですよ。
反対に、文章だけを読んだ時に、その文章の細かいところまで覚えているという人はなかなかいないはずです。
だから、記憶に残る情報量というのは、文字を文字として追うよりも、映像として捉えるほうが断然多いです」

―本書には「楽読」メソッドが詳しく綴られているとともに、付録のDVDで実際のレッスンが体験できます。こちらを使うにあたって注意事項がありましたらお願いします。

小堀「僕はこれまでに「楽読」のレッスンを1000人以上にしてきたんですけど、人によってすぐに読むスピードが上がる人もいれば、上がらない人もいるんですよ。
両者にどんな違いがあるのかというと、すぐに効果が出る人はレッスンで言われたことを素直に受け取って、言われた通りやるんですよ。対して、効果が出ない人というのは、どこかで“本当に速く読めるようになるの?”と疑いながらレッスンを受けます。この違いは本当に大きくて、疑いながら話を聞いていると話が頭に入ってこないんですよ。
だから、この本を読んで自分もやってみようという人は、本やDVDで僕が言っていることを、まずは素直に受け取ってみてほしいですね。信じてやってみてほしいです」

―先ほど、「楽読」は文字を文字として読むのではなく「イメージとして捉える」とおっしゃっていましたが、そうなるとトレーニングの中心は右脳を鍛えるということになるのでしょうか。

小堀「右脳に特化して鍛えるというよりは、脳を全部使おうということです。
脳は、前頭葉、頭頂葉、後頭派、側頭葉と大きく4つの部分に分かれているのですが、これらをフルに使えるようにするためのトレーニングをやっていきます」
(後編につづく)

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