「キモい」「存在感がない」「三日坊主」など、言われたら嫌なネガティブワードだが、つい使ってしまったり、言われたりすることがある。しかし、ネガティブとポジティブは表裏一体。ポジティブに解釈することもできるのだ。例えばこんな風に…。
【ネガ】「存在感がない」
【ポジ】「まわりにとけ込める」「縁の下の力持ち」「落ち着いている」
そんなネガティブとポジティブを変換する辞典『ネガポ辞典』(主婦の友社/刊)が2012年9月の出版以来、メディアを中心に話題を呼び、11万部を超えるヒットになっている。さらに、一般読者に呼びかけ、オリジナルのネガポ変換を投稿してもらう「“あなたのネガポ”大賞」を開催し、3548通の応募があったという(発表会の記事はこちらから)。
その書籍第2弾『ネガポ辞典 実践編』(主婦の友社/刊)が2013年10月に登場。さらなる広がりを見せようとしている。
もともとネガポ辞典は、北海道札幌平岸高校デザインアートコースに在学していた3人の女子高生が2010年の全国高等学校デザイン選手権大会において発表し、3位に入賞したことからスタートしたもの。『ネガポ辞典』の著者であるネガポ辞典制作委員会は、蠣崎明香莉さんと萩野絢子さん、そして二人の高校時代の恩師である吉岡隆先生の3人から成る。
今回は「あなたのネガポ大賞」の審査員として発表会に出席するために上京していた吉岡隆先生と萩野絢子さんにお話をうかがうことができた。(以下、敬称略)
◇ ◇ ◇
―まず、「“あなたのネガポ”大賞」発表会が終わりましたが、いかがでしたか?
吉岡「こんなに大きな規模になるとは思わなかったので、すごくびっくりしました」
―お二人とも北海道からいらっしゃったんですよね。
吉岡「そうです。私は今日、東京入りしました」
萩野「私は昨日です」
―ここまでネガポ辞典が広がり、たくさんの人に受け入れられるとは、最初の頃は想像つかなかったのではないですか?
萩野「そうですね。全く想像つかなかったです」
吉岡「今日の発表会もそうですし、北海道でも講座などで『ネガポ辞典』を使っているのですが、iPhoneアプリを作ったり本を出版しても、ダウンロードした方や読んでいる方と直に接する機会ってほとんどありませんからね。すごいです」
―この「ネガポ変換」のアイデアができたときはどんな感じだったのですか?
萩野「全国高等学校デザイン選手権大会に何かアイデアを出すという課題が授業で出されたのが最初でした。ただ、締切ギリギリになってしまって(笑)、私たちのチームのリーダーが急いでまとめたものが、このネガポ辞典でした。だから、すごく良い評価をいただいたとき、先生から『なぜこれが』というコメントをいただいたんです(笑)」
吉岡「『なぜこれが』でしたね(笑)ネガティブな言葉をポジティブに言い換えるって、要は『言い訳』だと思うんですね。だから、言い訳の何が良いのだろう、と」
―でも、最初に出版した本は11万部突破というベストセラーになりました。
吉岡「そうですね。今回の『あなたのネガポ大賞』で作品として応募していただいたものを読んだときに、『なるほどなあ』と思いました。面白いし、笑えちゃうんですよね」
―ネガポ変換ワードをつくるのは萩野さんであったり、今日はご欠席されていますが蠣崎さんであったりすると思いますが、常日頃からこういう変換を考えていると、いつでもポジティブになれそうです。
萩野「そうですよね。これを始めてから、ネガティブなことがあっても、すぐに気持ちを切り替えられるようになりました。自動的にパッと(笑)」
―第2弾『ネガポ辞典 実践編』が出版されましたが、読みどころを教えて下さい。
萩野「冒頭のマンガですね。まさかマンガになるとは!と思いました。気軽に読める内容になっているので、ぜひ手に取ってほしいです。また、前作は性格をあらわすワードが多かったのですが、今回は具体的なシチュエーションにそったネガポ変換が多いです。だから、より実践的です」
―最後に今後、『ネガポ辞典』をどのように広めていきたいですか?
萩野「市民講座などで使っていただいて、参加して下さった方から嬉しい言葉をたくさんいただきました。だから、今後もそういった形で広げていきたいです」
吉岡「私は学校の先生なので、授業で取り入れたいと考えています。また、講座を例えば老人ホームで開いたら楽しいのかなと思っています。そこに生徒も参加して。この『ネガポ辞典』は地元の方の応援があって広がったものだから、そういう活動ができれば、さらに面白くなるかなと考えていますね」
―ありがとうございました!
(了)
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