学生から社会人まで、起業を志す人は少なくありません。
そういう人であれば、みなそれぞれビジネスのアイデアを持っていると思いますが、それは頭の中で温めておくのではなく、ぜひとも「ノート」に書き記しておくべきです。
『起業は1冊のノートから始めなさい―――「事業プラン」から「資金計画」までを可視化する起業ログのススメ』(上野光夫/著、ダイヤモンド社/刊)は、起業をより現実に近づけるため、そして、それを成功させるために、準備段階で生じるさまざまな情報をノートに記入することを勧めています。
しかし、「さまざまな情報」といわれても、まだ起業のアイデアしかない人にとっては何のことかわからないはず。
今回は、本書の中から最も基本的な記入項目を取り上げます。
■動機と理念を固める
基本的なことですが、「なぜ起業するのか」という質問に対して、しっかりとした答えを持たずにビジネスを興しても、成功させるのは難しいでしょう。
また、どんな理念をもって事業を展開していくのか、という点も、早い段階で決めておくべきことです。
起業した後に、方針が定まらずに迷走しないためにも、これらは真っ先に決めて、ノートに記録しておきましょう。
■起業する日時を決める
「○年×月△日までに起業する」というように、スケジュールを決めないことには、起業することを決めたとしても、目の前の生活に流されてどんどん時間が経ってしまいます。
まずは起業する日時を決めて、そこから逆算して何をすべきかを書きこんでいきます。
■ビジネスモデルを考える
起業を考えているからには、ビジネスのアイデアはすでにあるのかもしれませんが、それが本当に収益を得られるものなのか、という再検討も含めて、もう一度ノートに書き出して、思い描いているビジネスモデルを煮詰めていきましょう。
■起業家としてのマインドを強化する
起業しても、うまくいくことばかりではありません。困難の方がずっと多いはず。
しかし、起業家に降りかかるトラブルや、陥りやすい心の問題をあらかじめ想定して、それらへの対策を練っておくことで、起業してから見舞われる困難にも対処しやすくなります。
■自分に足りないものを探す
たとえ経験や知識を持っている分野でビジネスを始めるのでも、起業するとなると身につけなければならないスキルはどうしても出てきます。
スキル不足がボトルネックとならないためにも、計画段階で自分に足りない能力に気づき、補っておくことは欠かせません。
■ビジネスに必要な人脈を作る
ビジネスに必要な情報を得るためにも、“人脈”は欠かせませんし、対人交渉能力も必要です。繋がりを持つことができた人をノートに書き込んで「人脈マップ」を作っておくと、後々役立つことが多いはずです。
■事業計画を練り上げる
起業するのに必要な資金を、ほとんどの人は金融機関などからの融資に頼ることになります。その時、相手に「なるほど、これなら成功しそうだ」と納得させるためにも、できるかぎり詳細な事業計画をノートに記録しておきましょう。
iPadやスマホのアプリにメモするのではなく、ノートに手書きすることによって、脳の活性化につながり、クリエイティブな発想が生まれやすくなります。これをやり続けることで、自分の計画の至らない点に気づいたり、あらたなアイデアが生まれたりと、起業のビジョンは豊かになっていくはずです。
本書には、今回とりあげた項目のより詳しい書き方が明かされていますので、起業を考えている人はぜひ参考にして、自分だけの「起業ノート」を作り、頭の中で考えているビジネスの計画を書きつづってみてください。
(新刊JP編集部)
関連記事
・
当てはまりますか?成功する起業家に共通する3つの資質・
不況だからこそ独立・起業が吉、という3つの理由・
不況を生き抜く「平日は会社員、土日は社長」という生き方・
低リスク中リターン「現実的な起業」とは?起業を成功させるためにやるべき7つのこと