女性と男性が対等に仕事をしたり、女性が男性より先に昇進したり、ということはもう珍しいことではありません。
ただ、まだまだ日本は男性優位の組織は多く、女性が能力だけを武器に男性と張り合っても職場で受け入れられなかったり、孤立してしまう可能性も。
では、女性が男性を含めた同僚に応援されながら、いきいきと仕事をするためにはどんなことが大事になるのでしょうか。
今回は『なぜか好かれる「ココロ美人」になる5つの幸せオーラ』(学研パブリッシング/刊)の著者、林志英さんにお話を伺ってみました。
―『なぜか好かれる「ココロ美人」になる5つの幸せオーラ』についてお話を伺えればと思います。まず、本書をお書きになった経緯についてお聞かせ願えますか?
林「はじめは自分も経営者ということで、起業したいと考えている女性向けに本を書こうと思っていました。でも、そのための企画書を出した時に、出版社の編集部の方から、もっとターゲットを広げて、起業を目指していない普通の20代30代の女性にも読んでもらえるものの方がいいのではないかという意見をいただいたんです。
それで、今モヤモヤしたものを心に抱えていたり、もっと元気になりたい、幸せになりたいと願っている多くの女性の背中を押すような本を作れたらいいなということで書きました」
―本書では「女性は職場でどう振る舞うか」というのが大きなテーマとなっています。留学生として日本に来て、日本で社会人生活をスタートさせた林さんですが、当時感じた日本の会社の印象はどのようなものでしたか?
林「男性優位というのは感じましたね。私はその会社で初めての女性総合職だったのですが、当時総合職として働く女性はたった5人で、あとは全員事務職でした。男女平等の中国から出てきた私にとっては、女性の仕事が総合職と事務職に分かれているのは不思議でした。
ただ、男性社員はみな女性にやさしく接していて、それは日本のすばらしいところだなと思いましたね」
―男性優位の環境で働いて、困ったことがありましたら教えていただければと思います
林「私を鍛えるためだったと思うのですが、先輩や上司に結構きつい口調で指導されたりというのはありました(笑) それで泣いてしまったり落ち込んだりもしましたが、自分のために言ってくれているんだ、といい方向に受け止めるように意識していましたね。もちろん凹んだりはしましたが、言われたことをどうやって解決していこうかと前向きな発想で考えていました」
―本書で書かれている、“職場で男性に応援される”ことの大切さに林さんご自身が気づかれたきっかけはどのようなことでしたか?
林「自分で事業を立ち上げてからですね。一人で始めたものの、一人ではできないことがたくさんあって、周りの人から応援されることの大切さを実感しました。
じゃあ、どうしたら人に応援してもらえるか、応援してもらえる体質をどうやって作ればいいのか?ということを自分なりに考えた結果をこの本に書いています」
―この本で書かれていることとは反対になってしまいますが、職場で男性に応援されない女性とはどのような女性ですか?
林「まず言えるのは、素直さはすごく大事です。“あの子は素直だね、一生懸命だね”と周りが思うと、みんなその子を助けたいと思うはずです。反対に、謙虚さがなく、自分で何でもできる、というような態度の子はみんな敬遠してしまいますよね」
―また、職場でありがちなのが、男性に気に入られると、同性である女性に嫌われてしまうことです。男性にも女性にも好かれ、応援されるにはどんなことが大事になりますか?
林「男性に応援されるように振舞うといっても、対男性と対女性で態度が違うと、女性に嫌われてしまいます。
男性、女性どちらに対しても自然体でコミュニケーションを取ることと、相手への思いやりを持つことが大事だと思います」
―ただ、自分自身が仕事を好きになれないと、同僚といい関係を築こうとしても難しいものです。目の前の仕事を楽しみ、好きになるためにどんなことが必要になりますか?
林「昨日わからなかったことがわかるようになったり、お客さんとのコミュニケーションがうまくいっていい関係を作れたりした時は楽しいと思うんですよね。
そうやって成果が伴ってくるとやりがいを感じるようになるので、そういう瞬間を大事にしてほしいです」
―女性から見て一緒に働きやすい男性というのはどんな男性ですか?
林「ちょっとした心遣いのできる男性でではないでしょうか。たとえば年賀状の発送作業などは女性社員がやることが多いかと思いますが、かなり時間がかかる作業です。そういう時に手伝いましょうか?と一声かけられる人ですね。
これは女性の作業だから自分は関係ないという態度ではなく、ちょっとした配慮ができる人は尊敬されますし、一緒に働きやすいと思います」
―では、経営者としての目線から、採用したいと思う女性はどのような女性ですか?
林「重視するのは性格や考え方、雰囲気ですね。能力を100%発揮できるかどうかというのは、その人が会社全体の文化と合うかどうかや、会社のスタッフの雰囲気と合うかどうかというところが大きいので。
いくら才能があって仕事ができる人でも、同僚と協調できないと、本人も働くのが苦痛でしょうし、そうなると能力も発揮できません。反対に同僚と協調できる人は、入社した時はそれほど仕事ができなくても、みんなと教え合いながら成長していくことができます。そういう人の方が会社にとっては貴重だと思っています」
(後編につづく)
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