英語学習は、なんとなく「単語と文法から勉強しよう」と思いがちです。しかし、多くの人が指摘しているように、それだけでは実際に使うときに、言いたい英単語が出てこなかったり、途中でつまってしまったりするもの。では、「使える英語」を習得するにはどうすればいいのでしょうか。
その一つが「脳をだます」という方法です。英語塾キャタルの社長である三石郷史さんが3000人のバイリンガルから語学を習得した方法を聞きだしたところ、この「だます」という方法が最も有効だということに気づきました。そして、「上手にだましてあげれば、3か月で自分の上達を自覚できるくらい、必ず英語力は上がります」と生徒たちに伝えているといいます。
■自分の言いたいことから言えるようになる
では、「だます」とは一体どういうことをいうのでしょうか。それは、「英語ができる演技をする」をすること。そのためには、自分が英語を使いたい状況を思い描き、英語で台詞を作ります。海外のレストランで流暢に注文をしている姿や、出張で自社の製品をプレゼンしている様子を想像して、台詞を作っておきます。あとは、それを読めばいいのですが、そこに身ぶり手ぶりを加えて、あたかも本当にその場で考えて話しているかのように振る舞うのです。ここでは、自分がハリウッドスターになったかのような気分で話してみるといいかも知れませんね。
■どうしてインタビューに答える「演技」をするといいの?
自分が英語が使えるのではと脳が騙されてしまうくらい、英語を使っている自分を演じると英語を習得するスピードは劇的に早くなります。感情を込めて何度も英語をいっているとその感情になった時にとっさに英語が出てきます。身体の動きも同じです。海外が長い人でつまずいた時に「Oops」という人がいます。聞いている人には印象がよくないかもしれませんが、つまずくというアクションと「Oops」とう言葉が結びついているのです。
■演じるポイントは日本語に訳さないこと
私たちは英語を勉強する時についつい日本語に頼りがちですが、演じる練習をするときは日本語に訳さないのがポイントです。英文の下に日本語を書いておいたり、英語と日本語をセットで覚えておくのは理解が早くて楽ですが、いざ話したい時に日本語はでてくるのに肝心な英語が出てこないことがあります。自分が覚えたい台詞は、何度も演じるように音読をして覚えていくのですが、その時には自分の言いたいことと英語を直接繋げるように心がけ、決して日本語に訳さないようにしましょう。
こうして自分の言いたいことを何度も演じておくと、いざ英語で言いたい時にとっさに言葉が出てきます。自分の言いたいことを決めて、それを言えるようにする。このプロセスを繰り返すことで、自分の言える領域を増やしていくのが効果的です。普段の英語学習では黙読などの視覚や、筆記に頼ってしまいがちです。しかし、ネイティブたちは五感と感情をフルに使って英語を勉強しています。
これでは彼らに近づけるはずがありません。五感と感情をフルに使って勉強をする。そうしたほうが実践で使える英語が習得できるのです。
この三石さんのメソッドが詰まっている『頭を使わない英語勉強法』(サンマーク出版/刊)では、通常の勉強とは全く違ったアプローチで英語が上達する方法を伝授してくれます。この方法でTOEICの点数がみるみる上がったという声も多いといいます。
自分があたかも海外にいるかのように振る舞い、外国人と話す演技をする学習方法は、実際にやってみると楽しかったりするので、試してみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)
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