見出し:“チャンスをつかんできた人”の考え方や習慣を聞いてみる
稼げる人と稼げない人、その違いはどこにあるのだろうか? 稼げる人たちはどんな習慣を持っているのだろうか? どうして彼らはチャンスをしっかりとつかむことができるのだろうか?
成功者たちは「チャンスは平等にやってくる」というが、その訪れたチャンスをちゃんとつかめるかどうかが鍵だ。では、どうすればそのチャンスをつかむことができるのだろうか? その答えを出すには、チャンスをつかんできた人に話を聞くのが一番早いはず。
今回は、『チャンスは1分おきにやってくる』(マイナビ/刊)の著者で、“年収5億円社長”の異名をとる平秀信氏にインタビューを試みた。今回はその前編を紹介する。
■「人の役に立つには自分が立派になるしかない」
―「メールは60秒以内に返せ」など、ここまでドラスティックなことが書かれているビジネス書はなかなかないので、読んでいて刺激的でした。本書を執筆する際に気を付けたことはなんですか?
「僕は、言うことややることが極端なんですよ。それが反映されているのだと思います。極端に正々堂々と生きている人が成功できると思っているから、普段はできる限り極端なことを言うようにしています。
ただ、この本に限ってはその極端さを少し薄めて書きました」
―どうして薄めようと思ったのですか?
「極端なこと言ってもなかなか受け入れてもらえないから(苦笑)でも、いくら意識してもまだ極端なんですよね」
―逆にそれが強烈な個性になっていると思いましたが…。
「これからは個性を生かしていける人間でないと成功できないですから。それに特化した話をしているだけなんですけどね」
―本書ではチャンスのつかみ方について書かれていらっしゃいますが、逆にチャンスをつかめない人に共通する特徴はなんですか?
「何でも考えてしまう人ですね」
―例えばどんな場面を想定していらっしゃいますか?
「人から『これをしたらどうですか?』と言われて考えてしまう人です。言われて何でもすぐやってみる人は成功しますよ。特に自分が師と決めた人の言うことを絶対に疑わず、忠実に実行する人は成功しますね」
―確かに「それはやる意味があるのだろうか」と考えてから行動することが多いと思います。
「だから成功できないんですよ。師から言われたことは考えずに実行する。そういう人は成功します」
―平さんの師はどんな方なのでしょうか。
「僕の師はアメリカに住んでいて、僕よりも年下です。14歳のときから働いているんだけれど、薬草を作って村人の病気や怪我を治すような仙人みたいな暮らしをしています。ただ、彼は仙人のような生活をビジネスとして捉えています」
―『チャンスは1分おきにやってくる』を読ませていただいて、気になった項目の一つに「コピペをしていたら、100年経ってもチャンスは手に入らない」というものがあったのですが、コピペと真似の違いはなんですか?
「コピペと真似の違いは、その人の中に軸があるかどうかというところで分かれますね。軸がある人は、自分なりにアレンジを加えるのでコピペじゃなくて真似になるんです」
―なるほど。平さんはどんな軸をお持ちですか?
「僕の軸は『人の役に立ちたい』という欲ですね。それ以外はないです。自分がどうしたら人の役に立てるかというと、自分が成功する以外にないんですよ。成功した自分の姿を見せることしか僕にはできません。
自分が稼いで周囲の人たちを助けてあげたり、雇用を生み出すことももちろんですが、それらは結局自分が立派になってできることですから」
―本書のタイトルである「チャンスは1分おきにやってくる」の意味は、いわゆる仕事一つひとつがチャンスだということだと思います。これはとてもしっくりきまして、どんなに細かくて地味な仕事でもそれがチャンスの一欠片だったりするんですよね。
「その通りですね。僕は建築会社に就職して20年間、現場監督をしていたのですが、細かい仕事ばかりでした。
例えば建築家の安藤忠雄は、設計図を描く際に○か×かしか書かないんです。それを所員が解釈して施工会社に投げて、施工会社が完全な図面をつくります。だからたくさんの設計ができるのですが、僕はその末端にいて、とにかく細かい作業をしていました。そのときから細かい仕事ができる人が一番だと思っていましたね」
―細かい仕事はミスができないから大変じゃないですか?
「人間なのでミスは完ぺきにします。でも、ミスをしても平気ですよ。責任を取るのは自分ではなく会社ですから。もし僕に『責任を取れ』と言ってきたら、すぐに辞めていましたね(笑)。だけど、僕以上に仕事ができる人がいなかったので、クビにすることができないんですよ。僕がいないと会社が成り立たないような状況にもなっていました」
―そういったスキルはどこでも通用しますよね。
「細かいことを正確に素早くできる人は成功しますね。逆に大雑把な人は難しいですよ。この本で対談させていただいたアニキ(丸尾孝俊氏)はすごく細かい方でした。バスツアーできた40人くらいのお客様も一人ひとりちゃんと目配りしている。すごいですよ」
(後編へ続く)
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