「ネット選挙が解禁される」というニュースは、多くの人が知っているだろう。
直近の参議院議員選挙から、インターネットの利用が認められるようになる。そして、次の参院選は今夏だから、実はすぐそこまで迫っているのだ。
長きにわたって議論されてきた「ネット選挙」――しかし、いざ解禁されると具体的に何が変わるのか、きちんと把握しているだろうか?
総務省のホームページに掲載されている「インターネット選挙運動の解禁に関する情報」( http://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/naruhodo/naruhodo10.html )を参考にすると、有権者はホームページやブログやツイッター、フェイスブックといったウェブサイト等を利用した選挙運動が可能となる。ただし、選挙運動メールの利用は禁止である。一方、候補者はウェブサイト等だけでなく、メールも利用できる。
ほかに様々な規制があり、禁止行為は処罰の対象となるので、総務省のサイトを参考にして欲しい。
では、選挙運動でツイッターやフェイスブックを使えるようになることによって、立候補者側にどんな変化が出てくるのだろうか。
■ネット選挙解禁で、候補者の顔ぶれは変わる?
そこまで大きな変化はないのではないか、と考える人もいるはず。しかし、『人は誰でも候補者になれる!』(フォレスト出版/刊)の著者である石井貴士氏は、本書の中で「選挙結果が『荒れる』可能性があります」と述べている。
これまでは、支持団体や地盤を持つ候補者が多かったが、ネット選挙の解禁によって、例えばツイッターのフォロワー数やフェイスブックの友達数も、その人の影響力を示す数になることは十分考えられる。そうなってくると、インターネット上で人気のある人が当選しやすくなり、政治家の顔ぶれも変わるのではないかという。
だから、何気なくフォローしていたツイッター上で人気を集めている人が突然、立候補した! ということが起こる可能性もあるのだ。
選挙のやり方が大きく変わる可能性のある「ネット選挙」の解禁。それは立候補者にも影響は出るかもしれない。そうなれば、見ず知らずの人ばかりが立候補しているこれまでの選挙のイメージはだいぶ変わるだろう。
『人は誰でも候補者になれる!』は選挙にまつわるさまざまなトピックを丁寧に解説しており、今の選挙の実態を知ることができる一冊だ。
「選挙なんて自分には関係ないよ」と思っている方も多いかもしれない。だが、ネット選挙の解禁により、あなたのフェイスブックでつながっている友人が、突然、次の参議院選挙に立候補するという可能性は高くなる。次の参議院選挙が始まる前に、この一冊を読んで、選挙を身近に感じておこう。
(新刊JP編集部)
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