バイクレーサーから経営者へ転身を遂げた人がいます。それが、『考え方を変えれば人生が変わる』(あさ出版/刊)の著者で株式会社アペックス代表取締役の岩本政人さんです。
バイクレーサーという異色の経歴から、どうして彼は人生のシフトチェンジを成功させることができたのでしょうか。そして、そんな岩本さんが苦難の続く経営者人生の中で見つけた成功法則とは?
今回はそんな岩本さんにインタビューを敢行。今まで夢に向かって突き進んできたけれど、本当にこのままでいいのか悩んでいる…そんな人に読んで欲しい熱いメッセージをいただいています。今回は後編です。
(新刊JP編集部)
■ アペックス流社員教育&採用方法とは
― 改めて岩本さんの半生は刺激的だと思います。夢に向かって突き進んでいる人には勇気が持てる内容だと思いますし、平凡な毎日を送っている人にとっては新鮮に映るのではないでしょうか。
「でも、実は恥ずかしいんですよ。本当に恥ずかしいことをたくさんしてきましたから。自分の転機は今までを振り返ってみると何回かあって、その中でも大きかったのが経営者になってしばらく経ったあと、景気が悪くなってこのままじゃヤバイということで、ビジネススクールに通った経験ですね。確か30歳手前でした。
僕は高卒で勉強もできないけれど、一応会社の社長ですし、社員もいる。だから、お山の大将みたいになっていたところがあったんです。そして、そのビジネススクールに行って、いかに自分が馬鹿なのかが分かったんですよ。周囲は優秀なビジネスマンで、使っている言葉も違う。そんな中でプレゼンをするわけで、それは恥ずかしかったですね。でも、そこをなんとか乗り越えて、本もたくさん読んで、分からないことはどんどん聞いて、最後には議論ができるようになっていました。だから、あの経験は経営者へのシフトチェンジするための重要な時間でしたね。安全地帯から出ないかぎり、人は成長できないんだと」
― 安全地帯から飛び出すというのは本書の中でも特に重要なことだと感じたのですが、社会人になるといきなり安全地帯から抜け出すということが難しくなるのではないでしょうか。
「もちろん勇気は要りますよ。僕も小心者だからためらいはあったけど、何十万円も払っていたからやるしかない、と思ってやりました。その後も同じような経験をしてきたけれど、結局、自分から手をあげて発言しないと何も始まらないということは分かりましたね」
― オートバイレースもそうだと思いますが、始まったあとにアレコレ考えても仕方なくて、もうやるしかなくなるんですよね。
「そうですよ。特にサーキットは命がけですから。だから開き直りが大切ですよね」
― 本書に書かれている岩本さんの考えを、ご自身の会社であるアペックスの社員の皆さんに根付かせるためにやっていることはありますか?
「まずは同じ言葉を使うようにしています。例えば朝に会議をするときに、若い子がよく『ちょっとまだ完成してないんですけど』と言いながら資料を配るんですけど、そうすると僕が『完璧な資料じゃなければ見たくないよ』って突っ込むんです。結局、完成していないって、ミスや不備がありますよって言っているのと同じですよね。だから、『その気持ちは分かるけれど、クセになるから言わない方がいいよ』と言って例え話を交えながらアドバイスします。
こんな具合にNGワードを指摘し合う文化をつくったり、あとは読書会を開いていますね。僕が独断と偏見で読んで欲しい本を決めて、みんなで読んでもらって感想文を書いてもらい、何人かのグループでディスカッションをし合うとか」
― アペックスの採用について書いているところで、採用は恋愛結婚と同じとおっしゃっていますが、岩本さんの好みのタイプを教えていただけますか?
「これはどんな女性が好きかを答えるのと一緒なんですが、素直な子ですね。素直で好奇心がある子が好きです。実は成功している人に共通している部分の一つがこれなんです。成功者ってすぐ他の成功者のやり方をすぐ真似するんですよ。成功まで最短で辿りつきたいから。自分のやり方に固執するのではなく、素直に他の人のやり方を受け入れて真似をするというのができちゃうんです。そういう人の意見を聞き入れる素直さは欲しいですね」
― 『考え方を変えれば人生が変わる』をどんな方に読んで欲しいとお考えですか?
「書き始めの頃は働いている方々全般をイメージしていたのですが、だんだんと若い子にイメージが寄っていきました。夢を持って頑張ったけれど上手くいかなかった人たちや、どうしていいのか分からなくなっている人たちに、一歩踏み出せよと背中を後押しするような感じで書いたので、そういった人たちに特に読んで欲しいですね」
― 最後に、インタビューの読者の皆様にメッセージをお願いします。
「人生における成功と失敗の差ってすごくシンプルで、上手くいってない状態でもそこから好転させるコツがあるんですよ。それを知ると、すごくスムーズに事が運んでいきます。
この本にはそのコツを詰め込んでいるので、読んでもらって、それを実践していただければ嬉しいですね。すごくシンプルで普遍的なことなので、人生の方向性に悩んでいる人がいましたら、是非それをお伝えたいしたいです」
(了)
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